毎日ごはんを食べてるんですけど、お米って食物繊維はあるんですか?野菜で摂るイメージが強くて、ごはんはあんまり関係ない気がして…。
いい質問です。お米にも食物繊維はちゃんとあるんですよ。ただ白米は少なめで、玄米や雑穀にするとぐっと増えるんです。お米の食物繊維量を、米農家目線で比べながら整理しますね。
結論:お米にも食物繊維はある。玄米・雑穀で大きく増やせる
まず結論から知りたいです。お米の食物繊維って、多いんですか?少ないんですか?
白米だけで見ると少なめです。でも、玄米・分づき米・雑穀米にすると何倍にも増やせる。つまり”お米の選び方しだい”なんですよ。
結論から言うと、お米にも食物繊維は含まれています。ただし、ふだん食べている白米は、食物繊維が少なめです。玄米を白米に精米する過程で、食物繊維の多い外側の部分(ぬか層)が削られてしまうためです。
一方で、玄米・分づき米・雑穀米・米ぬかといった形を選べば、お米から摂れる食物繊維は大きく増やせます。日本食品標準成分表(文部科学省)の数値でも、精白米と玄米では食物繊維量に数倍の差があるとされています。
つまり、「お米は食物繊維が少ない」と決めつけるのではなく、どんなお米を、どう食べるかで、食物繊維の摂れる量は変わってくるということです。この記事では、白米・玄米・分づき米・雑穀米の食物繊維量を比べながら、無理なく食物繊維を増やす食べ方を、米農家目線で整理していきます。
白米・玄米・分づき米の食物繊維量を比べてみる
実際、白米と玄米ってどれくらい違うんですか?数字で見てみたいです。
では早見表にしますね。精米する前の状態(お米の粒)で比べると、違いがよくわかりますよ。ただし数値は目安で、品種や条件で幅があります。
まずは、代表的なお米の食物繊維量を早見表で見てみましょう。数値は日本食品標準成分表(文部科学省)などで示される目安で、精米前のお米(穀粒)100gあたりのおおよその量です。
お米の食物繊維量の目安(穀粒100gあたり)
| お米の種類 | 食物繊維量の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 精白米(ふつうの白米) | 約0.5g | いちばん少なめ。ぬか層を削っている |
| 七分づき米 | 約0.9g | 白米より少し多い |
| 半つき米(五分づき) | 約1.4g | 白米の約3倍 |
| 胚芽精米 | 約1.3g | 胚芽を残したお米 |
| 玄米 | 約3.0g | 白米の約6倍 |
こうして並べると、白米から玄米に近づくほど食物繊維が増えていくのがはっきりわかります。玄米は精白米のおよそ6倍の食物繊維を含むとされ、分づき米はその中間に位置します。
なぜ白米は食物繊維が少ないのか
お米の食物繊維は、外側のぬか層と胚芽に多く含まれています。玄米を白米にする「精米」は、まさにこのぬか層と胚芽を削り取る作業です。そのため、白く磨くほど食物繊維は減っていくのです。
逆に言えば、削る量を減らす(分づき米にする)か、削らない(玄米にする)ことで、食物繊維は簡単に増やせるということです。削られたぬか層そのものである米ぬかにも、食物繊維が多く含まれています。
なお、上の数値は「炊く前のお米」での比較です。炊くと水分を含むぶん、ごはん茶碗1杯あたりの数値は変わりますが、白米より玄米・雑穀のほうが食物繊維が多いという関係は変わりません。
1日にどれくらい食物繊維を摂ればいい?お米の位置づけ
そもそも食物繊維って、1日にどれくらい摂ればいいんですか?お米だけで足りるものなんですか?
1日の目安は公的に示されていて、多くの日本人は不足しがちといわれています。お米だけで満たすものではないですが、主食を変えるだけでも底上げはできるんですよ。
食物繊維は、1日にどれくらい摂ればよいのでしょうか。厚生労働省は「日本人の食事摂取基準」のなかで、成人でおおむね1日20g前後を目標とする考え方を示しています(性別や年代で幅があり、最新の数値は公式情報をご確認ください)。
一方で、現代の日本人は食物繊維が不足しがちとされ、目標量に届いていない人が多いといわれています。ここで大切なのが、毎日食べる主食の見直しです。
主食を変えるだけで「底上げ」できる
食物繊維は、野菜・豆・海藻・きのこなど、さまざまな食品から摂るのが基本です。お米(主食)だけで1日分を満たすものではありません。
ただし、毎日必ず食べる主食だからこそ、白米を玄米・分づき米・雑穀米に変えるだけで、無理なく食物繊維を底上げできます。「食物繊維を増やそう」と気合を入れなくても、いつものごはんを少し変えるだけで、毎日コツコツ積み上がっていく——これが、主食で食物繊維を意識するメリットです。
野菜やおかずで食物繊維を摂りつつ、主食でも底上げする。この組み合わせが、無理なく続けられる考え方です。
そもそも食物繊維とは?2つの種類がある
そもそも食物繊維って、何なんですか?なんとなく体にいいのは知ってるんですけど…。
大きく水に溶けるタイプと溶けないタイプの2種類があるんです。お米にはどちらも含まれていますよ。ただ、はたらきの話は”一般にこう言われている”という前提で読んでくださいね。
食物繊維とは、体の中で消化・吸収されにくい成分のことです。エネルギー源にはなりにくい一方で、おなかの調子を整えるなど、暮らしのなかで役立つとされてきました。食物繊維は大きく2種類に分けられます。
水溶性食物繊維(水に溶けるタイプ)
水に溶けてゲル状になるタイプの食物繊維です。ゆっくり消化を進める働きや、おなかの環境を整える働きが期待されるとされています。大麦(もち麦)などに多く含まれることで知られています。
不溶性食物繊維(水に溶けないタイプ)
水に溶けず、水分を含んでふくらむタイプの食物繊維です。かさを増やして、おなかの調子を整える働きが期待されるとされます。玄米や雑穀、野菜などに多く含まれます。
お米のぬか層には、この2種類の食物繊維が両方含まれているとされます。玄米や分づき米、雑穀米を取り入れることは、2種類の食物繊維をバランスよく摂るという考え方でもあります。ただし、食物繊維のはたらきや必要量には個人差があり、体調やお腹の状態によって向き不向きもあります。健康を目的にする場合は、一般的な情報としてとらえ、心配な点は医師や専門家に相談するのが安心です。
お米で食物繊維を増やす方法①:玄米・分づき米にする
玄米が食物繊維多いのはわかりました。でも玄米って、正直ちょっと食べにくくて続かないんですよね…。
その気持ち、すごくわかります。だからこそ分づき米がおすすめなんです。白米に近い食べやすさで、食物繊維は白米より増やせるという”いいとこ取り”ができますよ。
食物繊維を増やすいちばんシンプルな方法は、白米を玄米や分づき米に変えることです。
玄米にする
玄米は、お米のなかでもいちばん食物繊維が多い形です。ぬか層と胚芽を残しているため、白米の約6倍の食物繊維を含むとされます。ただし、白米よりよく噛む必要があり、消化に時間がかかるため、はじめは体調を見ながら少しずつ取り入れるのが安心です。玄米の栄養やGABAなどの成分については玄米のGABA・健康成分ガイドでくわしく整理しています。
分づき米にする(いいとこ取り)
「玄米は続かない」という人には、分づき米がおすすめです。分づき米とは、玄米を白米にする途中まで削ったお米のこと。削り具合によって、五分づき・七分づきなどと呼ばれます。
- 七分づき:白米にかなり近い食べやすさ。食物繊維は白米より少し多い
- 五分づき(半つき):玄米と白米の中間。食物繊維は白米の約3倍
分づき米は、白米に近い食べやすさを保ちながら、食物繊維を増やせるのが魅力です。コイン精米機や家庭用精米機で精米度合いを選べるので、「まずは七分づきから」と段階的に試すのもよい方法です。玄米より食べやすく栄養も取り入れやすい胚芽米も、同じ発想の選択肢です。
お米で食物繊維を増やす方法②:雑穀米・もち麦を混ぜる
玄米や分づき米以外に、白米のままで食物繊維を増やす方法ってありますか?
ありますよ。白米に雑穀やもち麦を混ぜて炊く方法です。これなら、いつもの白米のおいしさはそのままに、食物繊維を足せるんです。
白米が好きで玄米には抵抗がある、という人におすすめなのが、白米に雑穀やもち麦を混ぜて炊く方法です。
もち麦を混ぜる
もち麦(大麦の一種)は、水溶性食物繊維が特に多いことで知られる食材です。白米に少し混ぜて炊くだけで、プチプチした食感と食物繊維をプラスできます。白米ともち麦の割合は好みで調整できますが、はじめは白米に少量から試すと食べやすいでしょう。
雑穀米を混ぜる
雑穀米は、きび・あわ・ひえ・黒米・赤米などをブレンドしたものです。それぞれに食物繊維やミネラルが含まれるとされ、彩りと栄養を同時にプラスできます。市販の雑穀ブレンドを白米に混ぜて炊くだけなので、手軽に続けられます。選び方や白米との割合は雑穀米のおすすめの選び方ガイドでくわしく整理しています。
雑穀やもち麦を混ぜる方法は、白米のおいしさを保ちながら食物繊維を底上げできるのが利点です。「玄米はハードルが高い」という人の、最初の一歩にぴったりです。
お米で食物繊維を増やす方法③:米ぬかを活用する
そういえば、精米で出る米ぬかにも食物繊維があるって、さっきのリンクにありましたね。
そうなんです。米ぬかは、まさに食物繊維が集まっている部分を削り取ったもの。だから、炒って少しごはんや料理に足すと、食物繊維をプラスできるんですよ。
食物繊維を増やす3つめの方法が、米ぬかを活用することです。米ぬかは、玄米を白米に精米するときに削り取られる外側の層そのもの。つまり、食物繊維の多い部分が凝縮された素材です。
炒った米ぬか(いりぬか)を足す
生の米ぬかは酸化が早いため、フライパンで香ばしく炒った「いりぬか」にして使うのが基本です。炒った米ぬかを、ごはんにふりかけたり、ヨーグルトやお菓子に少し混ぜたりすることで、手軽に食物繊維をプラスできます。
米ぬかの栄養や、食べるとき・使うときの注意点は米ぬかとは?栄養と活用法の完全ガイドでくわしく整理しています。米ぬかは、いつものごはんに食物繊維を”足し算”できる、米農家ならではの身近な素材です。
食物繊維を活かすごはんの食べ方・炊き方
食物繊維を増やすお米を選んだら、炊き方や食べ方で気をつけることってありますか?
大事なのはよく噛むこととしっかり浸水させることです。特に玄米や雑穀は、この2つで食べやすさが変わりますよ。
食物繊維の多いお米を選んだら、炊き方と食べ方を少し工夫すると、よりおいしく続けられます。
しっかり浸水させる
玄米や雑穀、もち麦は、白米よりも吸水に時間がかかります。しっかり浸水させてから炊くことで、ふっくら炊き上がり、食べやすくなります。浸水時間の目安は、お米の種類や季節によって変わります。くわしくは米の浸水時間 完全ガイドを参考にしてください。
よく噛んで食べる
食物繊維の多いお米は、よく噛むことが大切です。玄米や雑穀は白米より噛みごたえがあり、よく噛むことで消化を助け、満足感も得やすいとされます。早食いを避け、ゆっくり味わうことが、食物繊維を無理なく取り入れるコツです。
段階的に増やす
いきなり毎食を玄米にすると、おなかがびっくりすることがあります。まずは白米に雑穀を少し混ぜる、週に数回だけ分づき米にするなど、段階的に増やしていくのがおすすめです。自分のペースで、無理なく続けられる形を見つけましょう。
食物繊維を摂るときの注意点
食物繊維って、たくさん摂れば摂るほどいいんですか?なんだか摂りすぎもよくない気がして…。
いいところに気づきましたね。食物繊維は急に増やしすぎるとおなかの負担になることもあるんです。体調に合わせて、ほどほどに取り入れるのが大事ですよ。
食物繊維は暮らしのなかで役立つとされる一方で、摂り方には気をつけたい点もあります。
急に増やしすぎない
食物繊維をふだんあまり摂っていなかった人が、急に大量に増やすと、おなかが張ったり、調子を崩したりすることがあるとされます。玄米や雑穀を取り入れるときは、少しずつ量を増やすのが安心です。
体調・持病によって向き不向きがある
食物繊維の摂り方は、体調やお腹の状態、持病によって向き不向きがあります。消化器官に不安がある人や、治療中の人は、自己判断で大きく食生活を変える前に、医師や専門家に相談するのが安心です。
水分といっしょに
食物繊維は水分を含んでふくらむ性質があるため、水分といっしょに摂ることが大切とされます。玄米や雑穀のごはんを食べるときは、しっかり水分を摂ることも意識するとよいでしょう。
食物繊維は「たくさん摂ればいい」というものではなく、自分の体調に合わせて、無理なく続けられる量を見つけることが大切です。お米と健康全体のバランスについてはお米と健康完全ガイドも参考にしてください。
米農家目線|食物繊維を残すお米の選び方
米農家さんから見て、食物繊維を摂りたい人にはどんなお米がおすすめですか?
私たち米農家がおすすめするのは、精米度合いを自分で選ぶことです。同じお米でも、削り方しだいで食物繊維の量は変わる。そこが面白いところなんですよ。
米農家の目線でお伝えしたいのは、同じお米でも「削り方」で食物繊維の量が変わるということです。
お米は、精米する前の玄米の状態がいちばん食物繊維が多く、白く磨くほど減っていきます。だからこそ、自分の体調や好みに合わせて精米度合いを選べるのが、お米の面白いところです。
米農家のなかには、自宅では分づき米を食べているという人も少なくありません。白米のおいしさを楽しみつつ、食物繊維や栄養も取り入れたい——そのちょうどいいバランスが、分づき米にはあるからです。
食物繊維を意識するなら、まずは「いつもの白米を、七分づきや五分づきに変えてみる」ことから始めてみてください。コイン精米機や家庭用精米機で精米度合いを選ぶだけで、いつものごはんの食物繊維を、手軽に増やせます。お米は、選び方しだいで「食物繊維を摂れる主食」にもなる——そのことを、ぜひ覚えておいてください。玄米の種類ごとの違いは玄米の種類完全ガイドで整理しています。
よくある質問(FAQ)|お米の食物繊維
気になることがまだいくつかあるので、まとめて聞いてもいいですか?
もちろんです。お米の食物繊維について、よく聞かれる質問をまとめますね。
Q1:白米に食物繊維はまったくないのですか?
まったくないわけではありません。精白米にも少量の食物繊維が含まれています。ただし、玄米や分づき米、雑穀米と比べると少なめです。白米は、食物繊維の多いぬか層を削っているため、量が減っています。
Q2:玄米と白米では食物繊維量はどれくらい違いますか?
日本食品標準成分表などの数値では、玄米は精白米のおよそ6倍の食物繊維を含むとされています。数値は目安で、品種や条件によって幅があります。
Q3:玄米が食べにくいのですが、食物繊維を増やす方法はありますか?
分づき米(七分づき・五分づき)にする、白米に雑穀やもち麦を混ぜて炊く、炒った米ぬかを少し足す、といった方法があります。白米に近い食べやすさを保ちながら、食物繊維を増やせます。
Q4:分づき米とは何ですか?
玄米を白米にする途中まで削ったお米のことです。削り具合によって五分づき・七分づきなどと呼ばれ、白米に近い食べやすさと、白米より多い食物繊維の”いいとこ取り”ができます。
Q5:もち麦を混ぜると食物繊維は増えますか?
もち麦は水溶性食物繊維が特に多いとされる食材です。白米に混ぜて炊くことで、食物繊維をプラスできます。はじめは白米に少量から試すと食べやすいでしょう。
Q6:食物繊維には種類があるのですか?
大きく水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。お米のぬか層には両方が含まれるとされ、玄米や雑穀を取り入れることで、バランスよく摂るという考え方ができます。
Q7:食物繊維は摂りすぎてもいいのですか?
急に大量に増やすと、おなかが張ったり調子を崩したりすることがあるとされます。少しずつ量を増やし、水分といっしょに摂るのが安心です。体調に合わせて無理のない量を見つけることが大切です。
Q8:炊いたごはんでも食物繊維量は同じですか?
炊くと水分を含むため、ごはん茶碗あたりの数値は変わります。ただし、白米より玄米・雑穀のほうが食物繊維が多いという関係は変わりません。
Q9:胚芽米でも食物繊維は摂れますか?
胚芽米は胚芽を残したお米で、白米より食物繊維を取り入れやすいとされます。玄米より食べやすいため、白米と玄米の中間的な選択肢として人気があります。
Q10:食物繊維を摂りたいとき、まず何から始めればいいですか?
いつもの白米を七分づきや五分づきに変える、白米に雑穀を少し混ぜる、といった手軽な方法から始めるのがおすすめです。段階的に増やし、続けやすい形を見つけましょう。
まとめ:お米は「選び方しだい」で食物繊維を摂れる主食になる
お米って食物繊維が少ないと思ってたけど、選び方や食べ方で全然変わるんですね。玄米が苦手でも、分づき米や雑穀っていう手があるのが嬉しいです。
そうなんです。”白米か玄米か”の二択じゃなくて、その間にたくさんの選択肢がある。自分に合った形で、無理なく食物繊維を増やしていけますよ。
お米の食物繊維について整理してきました。最後にポイントをまとめます。
- 白米は食物繊維が少なめだが、玄米・分づき米・雑穀・米ぬかで大きく増やせる
- 玄米は白米の約6倍の食物繊維を含むとされ、分づき米はその中間
- 玄米が苦手なら、分づき米・雑穀・もち麦・いりぬかで無理なく増やせる
- 食物繊維は急に増やしすぎず、水分といっしょに、よく噛んで取り入れる
- 体調や持病によって向き不向きがあるので、心配な点は専門家に相談する
「お米は食物繊維が少ない」と決めつける必要はありません。どんなお米を、どう食べるかで、お米は立派な食物繊維源になります。まずは、いつものごはんを少しだけ玄米寄りにする——そんな小さな一歩から、始めてみてください。
お米の栄養や健康との関わりについては、お米と健康完全ガイド、玄米のGABA・健康成分ガイド、米ぬかとは?栄養と活用法の完全ガイドもあわせてご覧ください。
