原価率を計算しようとしたんですけど、いきなりつまずきました…。今月仕入れた金額を売上で割ればいいんですよね?なんか数字が月によってガタガタになるんですけど。
あ、それいちばん多い間違いです!割るのは『仕入れた額』じゃなくて『使った額』。この記事で、正しい計算式から月次の手順、メニュー別の出し方まで、電卓1つでできるように手取り足取りお伝えしますね🌾
原価率の大切さはわかっている。でも、いざ計算しようとすると「何を、どこまで含めて、どう割るのか」で手が止まる——。原価率は飲食店の最重要数字なのに、正しい計算方法を教わる機会はほとんどありません。
結論から言うと、原価率の計算式は「売上原価 ÷ 売上高 × 100」。そして肝心の売上原価は「月初在庫 + 当月仕入 − 月末在庫」で出します。仕入額をそのまま使うと、まとめ買いした月は高く・在庫を食いつぶした月は低く出て、数字がガタガタになって使いものになりません。冒頭のコボさんのつまずきは、まさにここです。
この記事では、基本の計算式と用語の整理から、月次原価率の計算5ステップ、メニュー(一品)別の原価計算、理論原価率と実際原価率の差の読み方、エクセル管理の列構成、そしてやりがちな計算ミスまで、「計算」に特化して徹底的に解説します。原価率の目安や下げ方など全体像は、クラスターの中心記事飲食店の原価率 完全ガイドをどうぞ。
結論:原価率の計算式は「売上原価÷売上×100」
まず式から教えてください!何を何で割るんですか?
覚える式は2つだけです。①原価率=売上原価÷売上×100 ②売上原価=月初在庫+仕入−月末在庫。この2つで一生使えます。
最初に、必要な式をすべて出します。
| 式 | 内容 |
|---|---|
| 原価率(%) | 売上原価 ÷ 売上高 × 100 |
| 売上原価 | 月初在庫 + 当月仕入 − 月末在庫 |
| (一品の原価率) | 一品の食材原価 ÷ 販売価格 × 100 |
ポイントは1つだけ。「仕入額」と「売上原価(使った額)」は別物だということです。
たとえば、月末にお米を30kgまとめ買いしたとします。仕入額は増えますが、まだほとんど使っていなければ、それは在庫であって今月の原価ではありません。逆に、仕入を控えて在庫を食いつぶした月は、仕入額だけ見ると原価率が低く見えますが、実際は在庫という資産を減らしただけです。
この在庫のズレを補正するのが「月初在庫+仕入−月末在庫」という式です。月をまたぐ在庫の動きをならして、「本当に使った分」だけを取り出す——これが売上原価の正体です。
「在庫を数えるのが面倒…」と感じた人、安心してください。次の章から、ざっくりでも機能する現実的な手順を紹介します。完璧な計算より、続く計算です。
用語の整理|売上原価・棚卸・理論原価率
『棚卸』とか『理論原価率』とか、言葉が難しくて…。最低限、何を覚えればいいですか?
覚えるのは4つだけ。しかも全部、日常の言葉に置き換えられますよ。
計算に出てくる用語を、日常語に翻訳しておきます。
| 用語 | 日常語に翻訳すると | 補足 |
|---|---|---|
| 売上原価 | 今月、実際に使った食材のお金 | 仕入額とは別物 |
| 棚卸(たなおろし) | 月末に在庫を数えて金額にすること | ざっくりでOK・月1回 |
| 理論原価率 | レシピ通りに作れた場合の計算上の原価率 | 設計図の数字 |
| 実際原価率 | 月次の売上原価から出した現実の原価率 | 現場の数字 |
この中で特に大事な関係が、理論原価率と実際原価率の「差」です。レシピから計算すると30%のはずなのに、月次で計算したら35%だった——この5%の差の正体が、廃棄ロス・盛り付けのブレ・まかない・計量ミスです。
つまり、2つの原価率を両方計算できるようになると、「数字のズレ」から「現場の課題」を逆算できるようになります。これが原価率計算の本当の使い道です。後の章で、差の読み方を詳しく扱います。
月次原価率の計算手順|5ステップ
よし、今月からやります!月末に何をすればいいか、順番に教えてください!
お任せください。月末30分・5ステップです。1回やれば、2回目からは半分の時間でできますよ。
月次原価率を出す、実践手順です。
ステップ①:当月の仕入額を集計する(10分)
食材・飲料の納品書や請求書を月単位で合計します。複数の仕入先がある場合は業者ごとの月計を足すだけ。フード仕入とドリンク仕入は分けておくと、後の分析が楽になります。レシートが散らばりがちな現金仕入(市場・スーパー買い足し)は、専用の封筒を1つ作って放り込むだけでも集計が一気に楽になります。
ステップ②:月末に棚卸をする(15分)
月末の営業後(または翌月初の営業前)に、在庫を金額換算します。コツは「金額の大きいものだけ、ざっくり」。
- 米・肉・魚・酒など、金額の大きい在庫を優先して数える
- 調味料・乾物などの細かいものは「だいたい〇千円分」の概算でOK
- 開封済みのものは「残り半分なら半額」で十分
最初の月は「がんばって全部」ではなく「主要食材だけ」で始めてください。精度は続けるうちに上がります。やめたら上がりません。
ステップ③:売上原価を計算する(1分)
売上原価 = 月初在庫 + 当月仕入 − 月末在庫
初回だけは「月初在庫」がないので、当月仕入−月末在庫で代用します(翌月から正式な式になります)。先月の月末在庫が、今月の月初在庫としてそのまま使えるので、2ヶ月目以降は棚卸1回分の手間で済みます。
ステップ④:原価率を計算する(1分)
原価率 = 売上原価 ÷ 当月売上 × 100
売上はレジ・POSの月計を使います。テイクアウトなど別管理の売上も忘れずに合算してください。
ステップ⑤:記録して、先月と比べる(3分)
出た数字を必ず記録します(記録の型は後述のエクセル章で)。1ヶ月の数字は「点」ですが、3ヶ月並ぶと「線」になり、傾向が見えます。先月より2%以上動いたら、その月に何があったか(値上がり?ロス?メニュー変更?)をメモしておくと、未来の自分への最高の引き継ぎになります。
メニュー別(一品)の原価計算|レシピから出す手順
お店全体じゃなくて、メニュー1個ずつの原価率も知りたいです。あれってどう計算するんですか?
一品の原価計算はレシピの分量を金額に翻訳する作業です。全品やる必要はありません。売れ筋TOP10からどうぞ。
メニュー別の原価率は、一品の食材原価 ÷ 販売価格 × 100で出します。手順はこうです。
手順①:レシピの材料と分量を書き出す。たとえば生姜焼き定食なら、豚肉150g・玉ねぎ1/2個・生姜・調味料・ご飯200g・味噌汁・小鉢——付け合わせやご飯も忘れずに。
手順②:材料ごとに「使用量あたりの金額」を出す。仕入単価から換算します。豚肉がkgあたり1,400円なら150gで210円。お米が5kgで2,200円なら、ご飯200g(炊飯前約90g)で約40円。調味料は1品ごとに厳密にやると挫折するので、「調味料一式20〜30円」のような概算ルールで構いません。
手順③:合計して販売価格で割る。材料合計が330円・販売価格980円なら、原価率は約33.7%です。
ここで1つ、プロの視点を足します。歩留まり(ぶどまり)を忘れないことです。野菜の皮や芯、魚のアラなど、仕入れた量のすべてが料理になるわけではありません。可食部が8割なら、実質的な単価は仕入単価÷0.8で考える——この補正を入れると、計算と現実のズレがぐっと減ります。
全メニューをやる必要はありません。売れ筋TOP10+看板メニューだけで、店の原価構造の大半は見えます。「よく出るのに原価率が高すぎる品」が1つ見つかれば、この計算の元は十分取れています。
理論と実際の「差」を読む|計算が経営に変わる瞬間
レシピから計算した原価率と、月次の原価率って、ズレるものなんですか?
ズレます。そしてそのズレこそが宝の山なんです。差の正体を突き止める方法を教えますね。
メニュー別の理論原価率と、月次の実際原価率。2つが揃うと、店の「見えない漏れ」が数字で見えるようになります。
考え方はこうです。売れ数で重みづけした理論原価率(たとえば31%)と、月次の実際原価率(たとえば35%)の差4%——この差は、レシピ通りでない何かが起きている証拠です。内訳の候補は次の通り。
| 差の正体 | 起きていること | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 廃棄ロス | 仕込みすぎ・売れ残り・期限切れ | 1週間「捨てた物メモ」 |
| 盛り付けのブレ | レシピより多く盛っている | 計量カップ・スケールで実測 |
| まかない | 仕入には入るが売上にならない | まかないのルールを決める |
| 計量のクセ | 「だいたい」が多めに寄る | よく出る品を一度だけ実測 |
| 記録漏れ | 現金仕入・買い足しの計上漏れ | レシート封筒の徹底 |
差が2%以内なら優秀、3〜5%なら改善余地あり、5%超ならどこかで確実にお金が漏れています。月商200万円の店の5%は月10万円。計算は、犯人探しではなく宝探し。差を1つ潰すごとに、利益がそのまま増えていきます。
具体的な改善の打ち手(ロス削減・標準化・値付け見直し)は、原価率を下げる7つの打ち手で詳しく解説しています。
エクセル・ノートでの管理|最小限の記録テンプレ
計算した数字、どうやって記録しておけばいいですか?エクセルとか苦手なんですけど…。
大丈夫、必要なのはたった8列。エクセルでもノートでも、紙のカレンダーの裏でもできますよ。
月次原価率の管理に必要な記録は、最小限ならこれだけです。
| 月 | 売上 | 月初在庫 | 仕入(フード) | 仕入(ドリンク) | 月末在庫 | 売上原価 | 原価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 4月 | 2,000,000 | 80,000 | 620,000 | 90,000 | 110,000 | 680,000 | 34.0% |
| 5月 | 2,100,000 | 110,000 | 590,000 | 85,000 | 95,000 | 690,000 | 32.9% |
| 6月 | … | 95,000 | … | … | … | … | … |
※数字は説明用のサンプルです。
運用のコツは3つあります。
- 月末在庫を翌月の月初在庫に転記する(コピーするだけ。これで式が回り続けます)
- メモ列を1つ足す:「米値上がり」「新メニュー開始」「臨時休業3日」——数字が動いた理由を一言残すと、後から見たときの価値が10倍になります
- エクセルなら原価率列に式を入れる:`=(月初在庫+仕入合計-月末在庫)/売上` 。一度作れば毎月は数字を入れるだけ
ノート派なら、見開き1ページに12ヶ月分の表を書いてしまうのがおすすめです。1年分が1目で見えると、季節変動(夏の生鮮値上がり・年末の仕入増)が肌感覚から数字に変わります。
計算でやりがちな間違い6つ
計算、自信なくなってきました…。みんながやりがちなミスを先に教えてください!
いい心がけです。6つの定番ミスを知っておけば、あなたの計算はもう大丈夫ですよ。
原価率計算の定番ミスと対策です。
| 間違い | 何が起きるか | 対策 |
|---|---|---|
| ① 仕入額をそのまま使う | まとめ買いの月に原価率が跳ねる | 売上原価(在庫補正)で計算 |
| ② 税込と税抜が混在 | 数%単位でズレる | どちらかに統一(税抜推奨) |
| ③ 現金仕入の計上漏れ | 実際より低く出て安心してしまう | レシート封筒で全部拾う |
| ④ ドリンクとフードを混ぜたまま | どちらに問題があるか見えない | 仕入の段階で2つに分ける |
| ⑤ まかない・賄い食材を無視 | 理論との差が説明できない | まかないのルール化(端材活用など) |
| ⑥ 1ヶ月だけ計算して判断 | たまたまの月で一喜一憂 | 3ヶ月の傾向で判断する |
特に注意したいのが②の税込・税抜混在です。売上は税抜で見ているのに仕入は税込のレシートのまま——というパターンは本当に多く、これだけで原価率が2〜3ポイント高く出ます。「全部税抜」か「全部税込」か、最初に決めて統一してください(経営分析としてはどちらでも構いません。混ぜるのだけがNGです)。
そして⑥。原価率は1ヶ月だけ見て「上がった!下がった!」と騒ぐ数字ではありません。3ヶ月の移動平均で見るくらいの落ち着きが、正しい判断を支えます。
計算を続けるコツは「仕入れをシンプルにする」こと
計算のやり方は完璧にわかりました。あとは…続けられるかが不安です(笑)
正直でよろしい(笑)。続けるコツは根性ではなく、そもそも計算しやすい仕入れの形にすることなんです。
原価率計算が続かない店には、共通点があります。仕入れが複雑なのです。仕入先が多い、現金買いが多い、単価がころころ変わる——計算の手間は、仕入れの複雑さに比例します。
逆に言えば、仕入れを整えることは、計算を楽にすることでもあります。
- 仕入先を主要なものに整理する(業者ごとの月計がそのまま集計になる)
- 単価が安定したルートを選ぶ(毎月の比較が意味を持つ)
- 使用量の多い定番食材ほど、固定のルートで仕入れる
特にお米のような毎日使う食材は、単価が安定しているだけで月次計算の精度が上がります。コメボウ・ダイレクトなら、全国の米農家から直接、顔の見えるお米を仕入れられます。価格と品質が安定した直送のお米は、計算のしやすさと、メニューに書ける「物語」を同時に連れてきます。数字の管理と店の魅力づくりが、同じ方向を向く仕入れです。
コメボウ・ダイレクトなら、全国の米農家から直接お米を仕入れられます。
顔の見える農家のお米で、お店のご飯に物語を。
よくある質問(FAQ)|原価率の計算20問
Q1:原価率の計算式を教えてください。
原価率(%)=売上原価÷売上高×100です。売上原価は「月初在庫+当月仕入−月末在庫」で計算します。仕入額をそのまま使うと在庫の増減で数字がブレるため、必ず在庫で補正した売上原価を使うのが正しい計算です。
Q2:なぜ仕入額のままで計算してはいけないのですか?
まとめ買いした月は原価率が実際より高く、在庫を食いつぶした月は低く出てしまうからです。月をまたぐ在庫の動きを「月初在庫+仕入−月末在庫」の式でならすことで、その月に本当に使った食材費だけを取り出せます。
Q3:棚卸はどうやればいいですか?
月末の営業後か翌月初の営業前に、在庫を金額換算します。コツは「金額の大きいもの(米・肉・魚・酒)を優先して、ざっくり」。開封済みは「残り半分なら半額」、細かい調味料は概算で十分です。完璧さより毎月続けることを優先してください。
Q4:棚卸なしで原価率を出す方法はありますか?
仕入額÷売上で「簡易原価率」を出すことはできますが、月ごとのブレが大きく、傾向判断を誤りやすい方法です。どうしても省きたい場合は、3ヶ月の仕入合計÷3ヶ月の売上合計など、期間を延ばしてならすとブレが小さくなります。それでも月1回のざっくり棚卸をおすすめします。
Q5:税込と税抜、どちらで計算すべきですか?
どちらでも構いませんが、売上と仕入で必ず統一してください。混在すると原価率が数ポイントずれます。経営分析としては税抜での統一が一般的です。レシートや請求書のどの数字を拾うか、最初にルールを決めておくのがコツです。
Q6:メニュー1品の原価率はどう計算しますか?
一品の食材原価÷販売価格×100です。レシピの材料と分量を書き出し、仕入単価から使用量あたりの金額に換算して合計します。ご飯・付け合わせ・調味料も忘れずに。調味料は「一式20〜30円」のような概算ルールで十分です。
Q7:歩留まりとは何ですか?計算にどう影響しますか?
仕入れた食材のうち、実際に料理に使える部分の割合です。野菜の皮や芯、魚のアラなどを除くと、可食部は仕入量より少なくなります。可食部が8割なら実質単価は「仕入単価÷0.8」。この補正を入れると、一品原価の計算が現実に近づきます。
Q8:理論原価率と実際原価率の差はどれくらいが普通ですか?
2%以内なら優秀、3〜5%は改善余地あり、5%超はどこかで確実にお金が漏れているサインとされます。差の正体は廃棄ロス・盛り付けのブレ・まかない・計上漏れなど。差を測ることが、現場改善の最も効率的な入口になります。
Q9:ドリンクの原価率は分けて計算すべきですか?
分けるのがおすすめです。仕入の段階でフードとドリンクを分けて集計しておけば、手間はほとんど変わりません。フード原価率とドリンク原価率を別々に把握できると、「どちらに問題があるか」「ドリンク比率を上げる余地はあるか」という分析ができるようになります。
Q10:まかないは計算にどう入れればいいですか?
まかないの食材も仕入に含まれているため、実際原価率を押し上げる要因になります。厳密に分けるのは大変なので、「まかないは端材・余剰食材から作る」とルール化するのが現実的です。理論と実際の差を読むときに、まかない分として1%前後を見込んでおく方法もあります。
Q11:月の途中でも原価率は計算できますか?
できますが、在庫補正ができないため精度は落ちます。月中は「日々の仕入額÷日々の売上」をざっくりの体温計として見つつ、正式な原価率は月末の棚卸とセットで月1回出す——という二段構えが現実的です。
Q12:開業したばかりで月初在庫がありません。どうすれば?
初月は「当月仕入−月末在庫」で売上原価を計算してください。月末に棚卸をすれば、その数字が翌月の月初在庫になり、2ヶ月目から正式な式(月初在庫+仕入−月末在庫)で回り始めます。開業時の大量仕入があるため、初月の原価率は高めに出るのが普通です。
Q13:エクセルが苦手です。ノートでも管理できますか?
できます。必要な列は「月・売上・月初在庫・仕入・月末在庫・売上原価・原価率・メモ」の8つだけ。ノートの見開きに12ヶ月分の表を書けば、1年の傾向が一目で見えます。大事なのはツールではなく、毎月同じ形式で記録し続けることです。
Q14:原価率は毎日計算したほうがいいですか?
毎日は不要です。日次では売上と仕入をメモする程度にして、原価率の計算は月1回(棚卸とセット)で十分です。むしろ1ヶ月単位の数字を3ヶ月並べて傾向で判断するほうが、日々の細かい上下に振り回されず、正しい打ち手につながります。
Q15:仕入先が多くて集計が大変です。コツはありますか?
2つあります。①現金仕入のレシートは専用封筒に集めて月末にまとめて集計 ②そもそも仕入先を主要なルートに整理する。特に使用量の多い定番食材(米・油など)を固定ルートにすると、集計が楽になるうえ、単価比較も意味を持つようになります。
Q16:原価率の計算にアプリや会計ソフトは必要ですか?
必須ではありません。電卓とノート(またはエクセル)で十分始められます。会計ソフトを使っている場合は仕入の集計が自動化できますが、棚卸(月末在庫)だけは現場でしか出せません。「ソフトが仕入を集め、人が在庫を数える」分担が現実的です。
Q17:売れ筋メニューの原価計算は、どのくらいの頻度で見直すべきですか?
仕入単価が動いたとき+年2回程度の定期見直しがおすすめです。特に米・油・粉ものなど相場が動く食材を使う品は、半年前の原価計算が現実とずれていることがあります。値上がりに気づかず売り続けるのが、いちばん静かな利益の漏れです。
Q18:原価率が計算のたびに2〜3%ブレます。異常ですか?
月次で2〜3%程度の変動は普通です。仕入のタイミング・棚卸の精度・メニュー構成の変化で動きます。1ヶ月の数字で一喜一憂せず、3ヶ月の平均や傾向線で見てください。毎月同じやり方で計算していれば、ブレの中から本当の傾向が浮かび上がります。
Q19:計算した原価率は、誰かと比べるべきですか?
他店の数字より、「自分の店の先月・前年同月」と比べるのが基本です。業態別の一般的な目安(カフェ25〜30%・居酒屋28〜32%など)は現在地を知る物差しとして使い、改善は自店の時系列で測る——この使い分けが健全です。
Q20:原価率の計算で一番大事なことを一つ挙げるなら?
「毎月、同じやり方で続けること」です。1回の精密な計算より、ざっくりでも12ヶ月続いた記録のほうが、店の経営にはるかに役立ちます。月末30分の習慣が、勘の経営を数字の経営に変えてくれます。
まとめ|計算式は2つだけ。月末30分で店の数字は見える
『仕入額じゃなくて使った額』——ここが今日一番の収穫でした!月末、レシート封筒と電卓でやってみます!
その2つがあれば十分です。最後に、計算の要点をまとめますね。
原価率の計算の要点を整理します。
- 式は2つだけ:原価率=売上原価÷売上×100/売上原価=月初在庫+仕入−月末在庫
- 仕入額のまま割らない:在庫の増減で数字がガタガタになる最頻出ミス
- 月次5ステップ:仕入集計→ざっくり棚卸→売上原価→原価率→記録(月末30分)
- 一品の原価:レシピ×仕入単価で換算。売れ筋TOP10だけでOK・歩留まり補正を忘れずに
- 理論と実際の差が宝:差5%超は漏れのサイン。ロス・ブレ・まかない・計上漏れを点検
- 記録は8列:エクセルでもノートでも。メモ列に「理由」を一言残す
- 続けるコツ:根性でなく、仕入れ自体をシンプルに整える
計算は、店を縛るためのものではありません。数字が見えた瞬間から、勘と経験は「武器」に変わります。今月の月末、まずは電卓から。
最初の棚卸は30分かかっても、3回目には15分になります。習慣は最強の経営ツール。あなたの月末30分を、アサは全力で応援していますよ🌾
コメボウ・ダイレクトなら、全国の米農家から直接お米を仕入れられます。
顔の見える農家のお米で、お店のご飯に物語を。
関連記事(飲食店の経営数字クラスター)
- 飲食店の原価率 完全ガイド|目安30%の本当の意味・計算・下げ方
- 飲食店の利益率 完全ガイド|手元にお金が残る店の数字の作り方
- 飲食店のFL比率 完全ガイド|食材費と人件費のバランス設計
- 飲食店の損益分岐点 完全ガイド|赤字にならない売上ラインの出し方
- 飲食店の米仕入れ完全ガイド|卸・米屋・農家直送の選び方
- 飲食店の米コスト削減ガイド|値上げに負けない仕入れの工夫
※本記事の計算方法・数値例は一般的な経営管理の目安です。会計・税務上の正式な処理は、税理士等の専門家にご確認ください。
