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米農家の定期便の始め方。リピーターが自動で増える仕組み

2026 6/22
米農家向け
米農家の定期便 - eyecatch

「毎回SNSで告知して、注文を受けて、入金を確認して、発送して……」

直販のたびにこの繰り返し。正直、大変ですよね。そんな農家さんにぜひ取り入れてほしいのが「定期便」の仕組みです。

定期便とは、お客さんに毎月(または隔月)自動でお米を届けるサービスのこと。一度申し込んでもらえれば、解約されるまで継続的に売上が立ちます。収入が安定するだけでなく、毎回の注文対応の手間も大幅に減ります。

この記事では、お米の定期便を始めるための具体的な方法をお伝えします。


目次

定期便のメリット

定期便のメリット

売上が安定する

単発の注文だけでは、月ごとの売上にばらつきが出ます。定期便なら毎月決まった数量が出荷されるため、収入の見通しが立てやすくなります。在庫管理の計画も立てやすくなるのは、農家さんにとって大きなメリットです。

注文対応の手間が減る

毎回の注文受付、入金確認、連絡のやりとり。これらの作業が定期便なら自動化できます。浮いた時間を、お米づくりやお客さんへのサービス向上に使えるようになります。

解約率は思ったより低い

「すぐに解約されてしまうのでは」と心配される方もいますが、美味しいお米の定期便は解約率が低い傾向にあります。毎日食べるお米だからこそ、「買い忘れがなくて助かる」「届くのが楽しみ」と感じてくれるお客さんが多いのです。


定期便の始め方

定期便の始め方

ステップ1:プランを決める

まずは、どんなプランを用意するかを決めましょう。シンプルに始めるなら、以下のような設計がおすすめです。

  • お届けサイクル:毎月 or 隔月(2ヶ月に1回)
  • 重量:5kg / 10kg の2パターン
  • 品種:メインの品種1種類から始める

最初からプランを増やしすぎると、管理が大変になります。まずは1〜2プランでスタートし、お客さんの声を聞きながら増やしていくのがおすすめです。

ステップ2:価格を設定する

定期便の価格設定で大切なのは、「お客さんにとってお得感があること」と「農家さんにとって採算が取れること」のバランスです。

一般的には、単発購入の価格から5〜10%程度割引した価格を定期便価格に設定するケースが多いです。送料込みの価格にすると、お客さんにとって分かりやすく、お得感も出やすくなります。

ステップ3:ツールを選ぶ

定期便に対応したネットショップツールを使えば、自動決済・自動配送管理ができます。

BASEの定期便機能 BASEには「定期便App」があり、追加するだけで定期販売が可能になります。月額費用は無料で、通常の販売と同じ手数料のみ。すでにBASEを使っている農家さんなら、すぐに始められます。

STORESの定期販売 STORESにも定期販売機能があります。フリープランでも利用可能で、月ごと・週ごとなど柔軟なサイクル設定ができます。

手動管理で始める方法 ツールを使わず、Excelやスプレッドシートでお客さんリストを管理し、毎月手動で発送する方法もあります。定期便のお客さんが10人以下なら、この方法でも十分回せます。

ステップ4:お客さんを集める

定期便を始めたら、まずは既存のお客さんに案内しましょう。過去に2回以上購入してくれた方は、定期便に切り替えてくれる可能性が高いです。

案内の方法は以下が効果的です。

  • 商品発送時に定期便の案内チラシを同梱する
  • LINE公式アカウントで定期便の案内を配信する
  • ネットショップのトップページで定期便を目立つ位置に掲載する
  • SNSで「定期便始めました」と告知する

長く続けてもらうための3つのコツ

長く続けてもらうための3つのコツ

1. 季節のお手紙を添える

定期便がルーティンになると、「ただ届くだけ」の存在になってしまうことがあります。季節ごとのお手紙やメッセージカードを同梱して、毎回「届くのが楽しみ」と感じてもらえる工夫をしましょう。

2. たまに「おまけ」を入れる

予告なしに、少量の別品種のお米や、お米を使ったお菓子などを同梱すると、サプライズ感があって喜ばれます。コストは小さくても、お客さんの満足度と継続率は大きく上がります。

3. 解約を恐れない

お客さんのライフスタイルの変化で、解約は必ず起こります。解約時には「ありがとうございました。またいつでも再開できますので、お気軽にご連絡ください」と温かく送り出しましょう。気持ちの良い対応が、将来の再開や口コミにつながります。


年間購入450人と、60トン全量販売──農業福島園と中山農園が証明した定期便の力

年間購入450人と、60トン全量販売──農業福島園と中山農園が証明した定期便の力

ここまで定期便の始め方を書いてきましたが、定期便がうまくいくとどうなるのか。コメボウJOURNALで取材した2人の農家さんの数字と言葉から、定期便の持つ力を具体的に見ていきます。

農業福島園・福島光志さん(福岡)──「年間購入」で450人の固定客を作った仕組み

福岡で25haの自然栽培米を手がける農業福島園・福島光志さんは、約450名の個人顧客を「年間購入」という独自の仕組みでまとめています。

取材で福島さんは、この仕組みをこう説明してくれました。

「うち”年間購入”っていう仕組みで1年間分のお米を確保しますよっていうので販売をしてるんですよね。なので固定客がいるので、あんまり集客ということに困ってないっていうのがありがたい話」

1年分の米を前払いで予約購入してもらう──これは、毎月・隔月の定期便の「究極進化版」です。

  • 450名 × 年間購入=毎年安定した売上が計算できる
  • 集客コストほぼゼロ(毎月新規を追いかけなくていい)
  • お客さん側も、1年分まとめて買う安心感

福島さんはさらに、「もう最初から全部直販をするって決めてやってましたので」とも語ってくれました。販路を直販一本に絞り込む覚悟があったから、年間購入という強い仕組みが作れた──これが一番大事な教訓です。

中山農園(北海道浦河)──60トンの玄米を全部さばく、リピート前提の特別栽培

もう一人は、競走馬の町として知られる北海道浦河町で12年間、特別栽培米を作り続ける中山農園さん。生産量は年間60トン。これを全部、定期購入・直販でさばき切っています。

中山さんが取材で語ったのは、特別栽培に切り替えた後のお客さんの反応です。

「特別栽培に切り替えてから、お客様に美味しくなったって言っていただけるようになりました」

定期便というビジネスモデルが機能するかどうかは、結局ここに尽きます。「毎回買いたいと思ってもらえる味」を出せるかどうか。中山農園は、特別栽培に舵を切ったことで、それを手に入れました。

ただし、中山さんは綺麗事だけではないことも率直に話してくれました。

「60トンの玄米を全部販売できるかっていうプレッシャーは大きかったです」

60トン全部を毎年売り切る──これは、単発の注文を積み上げるだけでは絶対に成立しない規模です。定期便という仕組みと、毎年戻ってきてくれるリピーターがいて、初めて60トンが動きます。

2人の数字から分かる、定期便が”安定する”理由

  • 450人 × 年間購入(福島さん)= 毎年のお米の行き先が決まっている
  • 60トンを全量直販(中山農園)= JA相場に縛られない価格設定が可能
  • 共通点は「新規集客に時間を使わなくていい」こと
  • その分、品質向上とお客さん対応に時間を使える→ さらにリピート率が上がる好循環

定期便は「売り方」ではなく、農家の1年の時間の使い方を根本から変える仕組みです。集客で走り回る時間が、お米そのものと向き合う時間に変わる──そこに定期便の本当の価値があります。


明日から、何人のお客さんに声をかけますか?

明日から、何人のお客さんに声をかけますか?

福島さんも中山さんも、最初から450人や60トンを相手にしていたわけではありません。最初のお客さん1人、そこから2人、10人、50人──地道な積み重ねの末に、今の数字があります。

定期便を始める一番いい方法は、「今いるお客さんに、来年も買ってくれますか」と聞くことです。1年分を予約してくれる人が10人いれば、それはもう立派な定期便の出発点です。

新しいお客さんを追いかける前に、いま美味しいと言ってくれている人に、”続き”を提案する。これが、定期便を育てる一番の近道です。


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まず読むならこれ米農家の直販入門|ゼロから始めるネット販売の全手順記事を読む →

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ガイド新規就農者が知っておくべき米の販売ルートまとめ→ 取材記事農業福島園・福島光志さんの取材記事(年間購入の仕組み)→ 取材記事中山農園の取材記事(60トン全量販売)→

よくある質問|この記事のテーマについて

ご質問をクリック(タップ)すると答えが開きます。

Q. お米の定期便とはどんな仕組みですか?
A. 業界一般では、お客様に毎月(または隔月)自動でお米を届けるサブスクリプション型の販売方法を定期便と呼ぶといわれています。一度申し込んでもらえれば、解約されるまで継続的に売上が立つのが特徴の販売モデルです。
Q. 定期便の最大のメリットは何ですか?
A. 業界一般では「売上の安定化・注文対応の手間削減・お客様との長期関係構築」の3つが主なメリットといわれています。単発注文より収入の見通しが立てやすく、毎月の作業負荷も軽減されるシナリオです。
Q. 定期便はすぐに解約されてしまいませんか?
A. 業界一般では「美味しいお米の定期便は解約率が低い傾向にある」といわれています。お米は毎日食べる主食のため、「買い忘れがなくて助かる」「届くのが楽しみ」と感じてもらえるシナリオが業界一般の想定です。
Q. 定期便のプランはどう設計すればいいですか?
A. 業界一般では「お届けサイクル:毎月or隔月/重量:5kg・10kgの2パターン/品種:メイン1種類」というシンプルな設計から始めるのが推奨されているといわれています。最初からプランを増やしすぎると管理が大変になる想定です。
Q. 定期便の価格はどう設定すべきですか?
A. 業界一般では「単発価格より少し割安にして、お客様に継続するメリットを感じてもらう」のが定石といわれています。5〜10%程度の割引が業界一般の相場感で、深く割り引きすぎると利益が圧迫されるシナリオです。
Q. 定期便はどんなツールで管理すればいいですか?
A. 業界一般では「BASE・STORES・自前のECサイトのサブスク機能・LINE×AI連携」などが選択肢といわれています。コメボウのサービスは月¥1,980(年¥20,000)でLINE経由の定期便管理にも対応する設計です。
Q. 定期便のお客様はどう集めればいいですか?
A. 業界一般では「単発購入のリピーターに案内する」のが最も効率的といわれています。新規にいきなり定期便を案内するより、3回以上購入してくれたお客様への提案が高い転換率を生むシナリオです。
Q. 定期便を始めるのに最低何人のお客様が必要ですか?
A. 業界一般では「10〜20人から始めても十分」といわれています。少人数でスタートして運用フローを確立してから、徐々に人数を増やすのが業界一般のシナリオです。
Q. 定期便の発送日はどう決めるべきですか?
A. 業界一般では「毎月15日・25日など固定日にまとめる」のが運用しやすいといわれています。発送日を集約することで、梱包・配送の効率が上がる想定の運用です。
Q. 定期便の支払いはどう設定すればいいですか?
A. 業界一般では「クレジットカード自動決済」が最もスムーズといわれています。BASE・STORES・Shopify等のEC決済代行で対応でき、銀行振込より未払いリスクが低い業界一般のシナリオです。
Q. お客様が一時休止したい場合は対応できますか?
A. 業界一般では「お盆・年末年始など長期不在時の一時休止オプションを用意する」のが推奨されているといわれています。柔軟な対応がお客様満足度を上げ、長期継続につながるシナリオです。
Q. 定期便の品種は固定すべきですか?
A. 業界一般では「最初はメイン1種類で固定、慣れたら2〜3種類のローテーション」が業界一般のパターンといわれています。新米シーズンの限定品種を組み込むことで、お客様に飽きさせない工夫も想定の手法です。
Q. 定期便の年間継続率はどのくらい?
A. 業界一般では「美味しいお米なら年間継続率70〜90%程度」が想定の目安といわれています。あくまで想定値で、商品力・お客様対応・梱包品質によって変動するシナリオです。
Q. 定期便とふるさと納税の定期便はどう違いますか?
A. 業界一般では「自社直販の定期便は通年で受付・お客様と直接関係を持てる」「ふるさと納税の定期便は年に1度の寄付申込・自治体経由で関係性が間接的」という違いがあるといわれています。両方を併用する農家さんも多い想定です。
Q. コメボウJOURNALでは定期便事例の紹介はありますか?
A. コメボウJOURNALでは、定期便でリピーター基盤を作っている米農家さんの取材記事を複数掲載しております。プラン設計・お客様コミュニケーション・運用の工夫は、本記事内の取材リンクからご覧いただけます。

米農家が定期便を始める5ステップ

各ステップをクリック(タップ)すると詳細が開きます。

Step 1:シンプルなプランを1〜2種類設計する
毎月or隔月のサイクル、5kg・10kgの重量、メイン品種1種類というシンプルな設計から始めます。プランを増やしすぎず、まずは運用しやすい形でスタートするのが業界一般のコツです。
Step 2:単発価格より5〜10%割安に価格設定する
継続するメリットをお客様に感じてもらえる価格幅を設定します。深く割り引きすぎないことで、利益を確保しつつ継続率も高めるシナリオです。
Step 3:決済と発送の自動化ツールを導入する
BASE・STORES・Shopify等のサブスク決済機能や、コメボウのLINE×AI連携などを使って、決済・発送日・在庫管理を自動化します。手作業を最小化するのが想定の鍵です。
Step 4:既存リピーターに定期便を案内する
3回以上購入してくれたお客様に、定期便のメリットと特典をご案内します。新規より既存への提案が高転換率を生むのが業界一般のシナリオです。
Step 5:お客様の声を集めてプランを改善する
発送開始後はお客様からのフィードバックをLINEやメールで集め、品種・容量・発送頻度の調整を行います。一時休止オプションや限定品種ローテーションを順次追加するのが想定の運用です。

参考・出典

  • 農林水産省・各都道府県農産物統計
  • 業界団体公開データ
  • コメボウJOURNAL編集部によるオンライン取材記事

※本記事の情報はコメボウJOURNAL編集時点のものです。最新情報は各公式サイトをご確認ください。

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この記事を書いた人

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コメボウJOURNAL編集部。全国の米農家21名のオンライン取材を経て、「全国の米農家と消費者・飲食店が、直接つながる」をミッションに発信。2026年に農業DXサービス「コメボウ」を立ち上げ、取材と仕組みづくりの両軸で米農家の経営を支援している。

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