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米農家の確定申告。経費にできるもの一覧

2026 5/23
米農家向け 確定申告・税務
机の上に広げられた領収書と電卓と確定申告書類のイメージ

「確定申告の時期が来ると、毎年憂うつになる」——。

そんな声を、取材先の農家さんからよく聞きます。特に、何が経費になるのか、どこまで計上していいのかがわからない、というお悩みは多いです。

米農家の経費は意外と幅広く、正しく計上すれば節税につながります。この記事では、米農家が確定申告で経費にできるものを一覧で整理しました。毎年の確定申告の参考にしてください。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたものです。具体的な判断は、税理士や最寄りの税務署にご相談ください。


目次

米農家の確定申告の基本

確定申告の基本をイメージした税金計算の写真

農業所得は「事業所得」

米農家の収入は、所得税法上「事業所得」に分類されます。事業所得は、収入金額から必要経費を差し引いて計算します。

農業所得 = 収入金額 − 必要経費

つまり、経費を正しく計上するほど、課税対象となる所得が減り、税金が安くなります。

白色申告と青色申告

確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類があります。

項目白色申告青色申告
事前届出不要必要
帳簿簡易帳簿複式簿記
特別控除なし最大65万円
赤字の繰越不可3年間繰越可能

農業を本格的に行っているなら、青色申告が圧倒的に有利です。65万円の特別控除は大きな節税効果があります。まだ青色申告をしていない方は、ぜひ検討してみてください。


経費にできるもの一覧

農機具とお米の経費をイメージした写真

種苗費

お米の種もみや苗の購入費用です。自家採種している場合でも、種もみの消毒薬などは経費になります。

肥料費

化学肥料、有機肥料、堆肥などの購入費用。土壌改良材も含まれます。

農薬費

除草剤、殺虫剤、殺菌剤などの購入費用。特別栽培や有機栽培で農薬を減らしている場合は、その分この項目は少なくなりますが、代わりに人件費や資材費が増える傾向があります。

農具・農機具費

鎌、鍬、スコップなどの小農具は購入時に全額経費。トラクター、田植機、コンバインなどの高額な農機具は、減価償却で数年に分けて経費計上します。

主な農機具の耐用年数(減価償却):

  • トラクター:7年
  • 田植機:7年
  • コンバイン:7年
  • 乾燥機:7年
  • 精米機:10年

10万円未満の農機具は、購入した年に全額経費にできます。

燃料費(ガソリン・軽油)

トラクターや軽トラックの燃料費。農業に使った分を経費にできます。自家用と兼用の場合は、使用割合に応じて按分します。

修繕費

農機具の修理代、ビニールハウスの補修費、農道の補修費など。

水利費・土地改良費

水利組合への賦課金、土地改良区の経費など。

地代・賃借料

借りている田んぼの賃借料。農機具のリース料もここに含まれます。

荷造運賃

お米の発送にかかる送料、段ボールや米袋の購入費用。ネット販売をしている農家さんは、この経費が大きくなりがちです。

通信費

ネット販売に使うインターネット回線料、スマホの通信費。農業専用の回線でない場合は、使用割合で按分します。

広告宣伝費

ネットショップの運営費、チラシの印刷代、SNS広告の費用など。

雑費・消耗品費

作業着、長靴、手袋、マスク、事務用品など。


見落としがちな経費

家計簿と電卓で見落としがちな経費を確認するイメージ

自動車関連費

農業で使う軽トラックやバンの費用は、以下がすべて経費になります。

  • 車両の減価償却費
  • ガソリン代
  • 自動車税
  • 自動車保険
  • 車検費用
  • 駐車場代

自家用と兼用の場合は、走行距離などで農業使用分を按分します。

研修・視察の費用

農業に関するセミナーへの参加費、先進農家の視察のための旅費交通費も経費です。

接待交際費

取引先との打ち合わせでの飲食費、お歳暮・お中元なども、農業に関連するものは経費にできます。

家事按分が必要な経費

自宅の一部を農業事務所として使っている場合、以下の費用を農業使用分として按分できます。

  • 家賃(持ち家の場合は減価償却費)
  • 電気代
  • 水道代
  • 火災保険料

按分割合は、面積比や使用時間比で合理的に算出します。


経費管理のコツ

帳簿とパソコンで経費管理するイメージ

レシート・領収書は必ず保管

すべての経費の証拠となるレシート・領収書は、最低7年間保管が必要です。月ごとに封筒に分けて保管するだけでも、申告時にラクになります。

会計ソフトの活用

農業用の会計ソフトやクラウド会計サービスを使えば、日々の記帳が格段に楽になります。スマホでレシートを撮影するだけで入力できるアプリもあります。

農業簿記の相談先

わからないことがあれば、以下の窓口に相談できます。

  • 税務署の確定申告相談
  • JA(農協)の営農指導
  • 商工会・商工会議所
  • 税理士

まとめ

米農家の確定申告では、種苗費から燃料費、通信費、自動車関連費まで、農業に関わる幅広い支出を経費にできます。経費を正しく計上することは、節税だけでなく、自分の農業経営を数字で把握するためにも大切です。

日々のレシート管理と記帳を習慣にして、確定申告のストレスを少しでも軽くしましょう。農業を支えるのは、土づくりだけでなく、お金の管理でもあるのです。


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実際に経営している農家さんの実例

確定申告や経費管理は、机上の話ではなく実際の農家さんがどう実践しているかを知ることが一番の学びになります。コメボウJOURNALで取材させていただいた農家さんから、参考になるエピソードを紹介します。

71歳・元小学校教員が辿り着いた経費管理の知恵

福岡県のぶぜんのお米こが農園・古賀博行さんは、38年間小学校の教員を務めながら米作りを続け、61歳で退職後に専業農家になりました。無農薬栽培にこだわる古賀さんは、化学肥料の高騰に悩んだ時期を経て、光合成細菌を自家培養する方法に行き着きました。

「自分で培養するっていうのは、ちょっと手間暇かかりますけど、化学肥料とか買いよったらすぐに何十万ってなりますもんね」

古賀さんのように、経費を抑える工夫は農業経営の要です。具体的な実例は古賀さんの取材記事でご覧いただけます。

直販で手取りを最大化する福島の自然栽培農家

福岡県宗像市の農業福島園・福島光志さんは、18年間農薬を使わない自然栽培を貫き、25ヘクタール・10品種・450人の年間購入客を抱える成功農家です。販売はすべて直販で、手数料がかからない分しっかりと利益を確保しています。

経費の計上と同じくらい、売り方の工夫が手取りを左右します。福島さんの挑戦はこちらの記事に詳しく書かれています。


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  • 米農家のBASE活用ガイド。ネットショップの作り方──直販で手取りを増やす第一歩
  • 全国の米農家さんのインタビュー記事一覧──実際の経営の工夫を学べる
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よくある質問|この記事のテーマについて

ご質問をクリック(タップ)すると答えが開きます。

Q. 米農家の所得は何所得にあたりますか?
A. 業界一般では、米農家の所得は「事業所得」として確定申告するのが基本と言われています。事業所得として申告することで、必要経費の幅広い計上や青色申告のメリットを活かせる方向性として知られています。
Q. 白色申告と青色申告のどちらが良いですか?
A. 業界一般では、青色申告は記帳の負担はありますが、特別控除や赤字繰越などのメリットが大きいと言われています。最新の控除額や要件は年度ごとに変動するため、税務署や税理士など専門家にご確認ください。
Q. 米農家が経費にできる代表的なものは何ですか?
A. 種苗費・肥料費・農薬費・農具/農機具費・燃料費・修繕費・水利費/土地改良費・地代/賃借料・荷造運賃・通信費・広告宣伝費・雑費/消耗品費などが業界一般で代表的な経費項目として挙げられます。
Q. 種苗費にはどんなものが含まれますか?
A. 業界一般では、種もみ・苗の購入費用、苗箱・育苗用資材などが種苗費として計上されるケースが多いと言われています。具体的な範囲は税務署や税理士の判断が優先される領域です。
Q. 肥料費・農薬費はどこまで経費になりますか?
A. 業界一般では、米作りに使う肥料・農薬の購入費用は経費計上が認められやすいと言われています。領収書・購入明細を確実に保管し、米作り以外の用途と分けて管理することが大切です。
Q. 農具・農機具の購入費用は経費になりますか?
A. 業界一般では、農具や農機具の購入費用は経費になりますが、金額によっては「減価償却資産」として複数年に分けて計上するケースがあると言われています。詳細は税務署・税理士にご相談ください。
Q. 燃料費(ガソリン・軽油)は経費にできますか?
A. 業界一般では、農機具・運搬車の使用に対するガソリン・軽油代は経費に計上できると言われています。プライベート用途と兼用する車両は「家事按分」が必要になるケースがあります。
Q. 自動車関連費は経費にできますか?
A. 業界一般では、農業用に使う車両のガソリン代・自動車税・保険料・車検費用などは経費になりますが、プライベート利用と兼用の場合は「家事按分」で按分する必要があると言われています。
Q. 研修・視察の費用は経費になりますか?
A. 業界一般では、農業に関連する研修参加費・視察旅費・書籍代などは経費として認められやすい方向性と言われています。事業との関連性が明確であることが前提条件として重視されます。
Q. 接待交際費はどこまで経費にできますか?
A. 業界一般では、取引先・販売先との会食や手土産代などは接待交際費として計上できる場合があると言われています。プライベートとの区分が重要で、領収書とともに用途のメモを残すのが安全な運用です。
Q. 家事按分とは何ですか?
A. 業界一般では、自宅と農業を兼用している電話代・電気代・車両費などを、事業利用分とプライベート利用分に按分することを「家事按分」と言います。按分比率は合理的な根拠を持って設定することが求められます。
Q. レシート・領収書はどう保管すれば良いですか?
A. 業界一般では、レシート・領収書は月別・項目別にファイリングして7年程度保管するのが推奨される方向性と言われています。具体的な保管期間は最新の税法をご確認ください。
Q. 会計ソフトは使ったほうが良いですか?
A. 業界一般では、会計ソフトを使うと記帳・集計・確定申告書作成までスムーズになる傾向があると言われています。クラウド会計ソフトを使うと、銀行口座やレシートアプリと連携できる方向性として知られています。
Q. 農業簿記の相談先はどこがありますか?
A. 業界一般では、税務署の無料相談、税理士、農業に詳しい会計事務所、青色申告会、JA、自治体の確定申告窓口などが相談先として知られています。最新の制度・控除額は専門家にご確認ください。
Q. 確定申告の最新情報はどこで確認できますか?
A. 業界一般では、国税庁の公式サイト・税務署の確定申告コーナー・税理士などが最新情報の確認先として知られています。制度や控除額は年度ごとに変更される場合があるため、毎年の最新情報を確認することが大切です。

米農家が確定申告を進める5ステップ

各ステップをクリック(タップ)すると詳細が開きます。

Step 1:ステップ1:申告区分を決める
白色申告と青色申告のどちらで申告するか、最新の控除条件を確認しながら決めます。青色申告は事前の届出が必要なケースがあります。
Step 2:ステップ2:レシート・領収書を月別に整理
種苗費・肥料費・燃料費などの経費領収書を月別・項目別にファイリングし、家事按分が必要な経費は別管理にします。
Step 3:ステップ3:会計ソフトで記帳する
クラウド会計ソフトなどに毎月の経費・売上を記帳し、銀行口座やレシートアプリとの連携を活用して負担を減らします。
Step 4:ステップ4:見落としがちな経費をチェック
自動車関連費・研修費・接待交際費・家事按分など、見落としやすい経費を確定申告前に再チェックします。
Step 5:ステップ5:税務署・税理士に最新情報を確認
最新の控除額・税法・申告期限を税務署や税理士に確認し、申告書を期限内に提出します。

参考・出典

  • 農林水産省・各都道府県農産物統計
  • 業界団体公開データ
  • コメボウJOURNAL編集部によるオンライン取材記事

※本記事の情報はコメボウJOURNAL編集時点のものです。最新情報は各公式サイトをご確認ください。

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  • 2haから40ヘクタールへ。ひらくの里ファーム・青木拓也、地域の未来を切り開く南魚沼の若き経営者
  • 家族に、発芽玄米を食べさせたかった。福岡・ぶぜんのお米 こが農園 古賀博行、37年の教員生活から始まった光合成細菌の米づくり

この記事を書いた人

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コメボウJOURNAL編集部。全国の米農家21名のオンライン取材を経て、「全国の米農家と消費者・飲食店が、直接つながる」をミッションに発信。2026年に農業DXサービス「コメボウ」を立ち上げ、取材と仕組みづくりの両軸で米農家の経営を支援している。

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