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米農家の飲食店営業術|直接取引を開拓する5ステップとサンプル戦略

2026 6/22
米農家向け 販路・直販EC

「飲食店に直接お米を売れたら、手数料ゼロで利益が残るのに」「でもどうやって営業すればいいか分からない」──直販を伸ばしたい米農家さんからよくいただく相談です。

食べチョク・楽天は手数料15〜20%取られますが、飲食店との直接取引なら手数料ゼロ。月100kgの安定取引が1軒できれば、月3〜5万円の利益が手元に残ります。5軒と取引すれば月15〜25万円の安定収入──これが米農家の経営を変える販路です。

この記事では、農家さんが飲食店ダイレクトを開拓する5ステップを、実際に飲食店との直接取引で経営を作っている米農家さんの事例つきで整理します。


目次

結論:飲食店営業の「3つの判断基準」

先にお伝えします。米農家さんが飲食店営業を始めるかどうかは、3つの判断基準で決められます。

  • 月100kg以上の安定供給ができるか(飲食店は安定が最優先)
  • 品質を文章+数字で語れるか(栽培方法・農家の物語が武器)
  • 継続的にコミュニケーションを取れる仕組みがあるか(LINEなど)

飲食店との取引は”信頼関係の積み重ね”。1軒10年続く関係が経営の柱になります。新規開拓と並行して、既存取引先との関係深化を続けるのが、長期で生き残る農家の構造です。


なぜ米農家に飲食店ダイレクトが必要なのか

理由①:手数料ゼロで利益が手元に残る

販路手数料5kg ¥3,500の場合の手元
食べチョク・ポケマル15〜20%¥2,800〜2,975
楽天市場約10〜15%(合計)¥2,975〜3,150
ふるさと納税30〜50%が農家取り分¥1,750〜1,750
飲食店ダイレクト手数料ゼロ¥3,500(満額)

飲食店ダイレクトは、最も利益率が高い販路です。

理由②:1軒で月100kg以上の安定取引を目安

個人客は月5〜10kgですが、飲食店は月50〜200kgの単位で取引します。1軒で月100kg安定なら、個人客10〜20人分の売上を1軒との関係で維持できます。

理由③:シェフ経由の口コミ・拡散力

シェフは食材ネットワークを持っています。「あの農家さんのお米、すごくいい」と1人のシェフが言うと、5〜10軒の飲食店に拡散するケースも珍しくありません。広告費ゼロの最強の口コミ装置です。

理由④:価格交渉力が個人客より低い(実は強み)

個人客は「他店と比較」しますが、飲食店は「品質・安定供給・関係性」で選びます。価格競争に巻き込まれにくいのが、飲食店ダイレクトの最大の強みです。

理由⑤:自分のお米が”プロの料理”になる喜び

シェフが心を込めて料理した一皿に自分のお米が乗る喜びは、個人客販売では味わえない達成感。「お米作りのモチベーション」にも直結します。


飲食店アポを取る5つの方法

方法①:地元の和食店・寿司店から始める

米にこだわる業態は和食・寿司・おにぎり専門店・定食屋。地元の店舗は地域貢献の文脈で受け入れられやすく、最初の1軒として最適です。

方法②:シェフのSNSフォロー+DM

Instagramで「#米農家」「#国産米」「#新米」で検索→シェフのアカウントを発見→フォロー+DMで接点づくり。直接アポよりハードルが低い入り口です。

方法③:マルシェ・農産物イベントで名刺交換

マルシェには飲食店のバイヤー・シェフも買い物に来ます。サンプル試食から名刺交換→後日アポが王道です。

方法④:取引先の紹介

1軒目の飲食店との関係ができたら、「他に紹介できるお店ありますか?」と聞く。シェフのネットワークは強力で、紹介経由のアポは成約率が圧倒的に高いです。

方法⑤:地域の食材コンベンション参加

JA・自治体・観光協会が主催する食材マッチングイベントに参加。1日で5〜10軒のシェフと名刺交換できます。


サンプル米の渡し方とフォロー

サンプルは「2合×2回分」が黄金量

  • 少なすぎる(1合):シェフが試食できる量が足りない
  • 多すぎる(5kg):「貰い物」感が強くプレッシャー
  • 黄金量=2合×2回分:スタッフ全員で試食可能+炊き比べもできる

サンプルに必ず添えるもの

  • 栽培情報シート(品種・産地・年産・特別栽培の有無)
  • おすすめの炊き方カード(プロ向け:浸水時間・水分量)
  • 農家プロフィール+取材記事のQRコード
  • LINE公式の友だち追加QR(継続接点用)

フォローのタイミング

  • サンプル渡しから3日後:「試食いかがでしたか?」のLINE
  • 1週間後:「導入のご検討状況いかがですか?」
  • 2週間後:「またマルシェで会いましょう」で関係維持

売り込み感ゼロのフォローが継続率を決めます。

価格の伝え方

飲食店向け価格は個人向けより10〜20%安くするのが業界相場。月100kg・年間契約などの安定取引を前提に、ボリュームディスカウントを提示。


継続取引化の3ステップ

ステップ①:初回小ロット注文(試験導入)

月50kg×3ヶ月などの小ロット試験から始める。シェフのリスクを最小化することで導入のハードルを下げます。

ステップ②:3ヶ月の品質検証期間

毎月の取引で品質の安定性を証明。シーズンごとの炊き上がり違いなどをLINEで事前共有することで信頼を積み上げます。

ステップ③:年間契約への移行

3ヶ月の試験で問題なければ、年間契約(月100〜200kg)へ移行。シェフ側もメリット(価格固定・優先供給)があるので、両者ハッピーな関係が築けます。

LINE×AIで継続関係を自動化

継続取引には毎月の連絡が必須。手作業では絶対忘れるので、LINE公式+AIで配送日リマインド・在庫確認・品質報告を自動化するのがスケール時の正解です。


取材した3人の農家さんに聞いた”飲食店ダイレクトのリアル”

飲食店との直接取引で経営を作っている農家さんに、営業のリアルを聞きました。

🌾 MsFineFarm(岡山県総社市・秋山款美さん)

7世代の家族農業を継承するMsFineFarmの秋山さん。「去年から農協への出荷をゼロにして、すべて自分たちで販売しています」という決断のもと、直販と飲食店ダイレクトで経営を再構築しています。

「農協への出荷をゼロにした瞬間、飲食店との直接取引が生命線になりました。最初の1軒は地元の和食屋さん。サンプルを持って通って、3ヶ月で年間契約まで漕ぎ着けました。飲食店との関係は個人客の100倍深い。シェフが料理して、お客様が食べて、その反応が農家まで返ってくる循環ができたとき、お米作りの意味が変わりました。価格じゃなく品質で選ばれる経営ができるのは、飲食店ダイレクトの最大の魅力です」

農協ゼロ→飲食店ダイレクトという経営判断の決断力。シェフとの深い関係が、お米作りそのものの哲学を変える原動力になっています。

🌾 ひらくの里ファーム(新潟県南魚沼市・青木拓也さん)

35歳で祖父から経営を引き継ぎ、2haから40haへ20倍に規模拡大した青木さん。直販7割・業者卸3割・年間売り切りで複数販路を組み合わせる経営を実現しています。

「業者卸3割の中には飲食店ダイレクトも含まれています。40haまで規模拡大できたのは、個人客+飲食店+ふるさと納税の3層構造を作れたから。飲食店との取引は月100〜200kg単位の安定供給で、個人客の細かい注文に追われない時間を生んでくれる。スケールするほど、飲食店ダイレクトの価値が経営の安定性を支えてくれます」

販路の多層化で経営の安定性を作る戦略。個人客と飲食店の役割分担こそが、40ha規模の経営を支えています。

🌾 農業福島園(福岡県・福島光志さん)

18年間無農薬で米を作り続ける農業福島園の福島さん。新規顧客は妻のインスタや紹介で増えているという、人柄ベースのマーケティングを実践しています。

「18年間無農薬でやってきた信用こそが、飲食店との取引の入口です。最初に営業しなくても、シェフから声をかけてもらえるようになる。SNSで田植え・稲刈りを発信し続けて、18年間の物語をシェフに見せ続ける。価格じゃなく、“あの福島さんから買いたい”という関係で取引が始まる。営業せずに営業されている状態を作るのが、長期で続く飲食店ダイレクトの本質だと思います」

「営業せずに営業される」状態を作る哲学。18年間の積み重ねが、シェフ側からの逆指名につながっている──信頼ベースの飲食店ダイレクトの理想形を語ってくれました。


やりがちな失敗と対策

失敗対策
いきなり大手チェーン店に営業地元の個店から始める
サンプル量が少なすぎ・多すぎ2合×2回分が黄金量
価格を最初から提示品質・安定供給を先に話す
フォローを忘れるLINE×AIで自動リマインド
個人客と同じ価格業務用は10〜20%安く+年間契約
品質報告を怠るシーズンごとの炊き上がりをLINE共有
既存取引先のメンテ忘れ新規開拓と並行で関係深化

関連テーマ:飲食店ダイレクトとLINE×AIの仕組み化

飲食店との取引は”継続的な関係”で成り立ちます。毎月の連絡・配送リマインド・在庫確認・品質報告を手作業で続けるのは現実的に不可能。LINE×AIで全部自動化するのが、スケール時の正解です。

  • 配送日リマインド:「○月○日にお届け予定です」を自動送信
  • 在庫確認:「来月のご注文量はいかがですか?」を月初に自動確認
  • 品質報告:「今月の新米は浸水30分推奨です」を自動配信
  • クレーム対応:LINEで即時対応+履歴自動保存
  • 新メニュー提案:「○月の食材におすすめのお米」をAIが提案

コメボウは、月¥1,980(年¥20,000)で飲食店との関係を全部LINE×AIで自動化するサービスです。「営業の時間」を増やしながら、シェフ一人ひとりへの誠実さは絶対に減らさない──現代版の”農家の商売OS”です🌾


まとめ:飲食店ダイレクトは”米農家の最大の利益源”

飲食店との直接取引は、米農家さんにとって”最も利益率が高く、最も関係が深い販路”です。

  • 3つの判断基準:月100kg安定供給/品質を語れる/継続コミュニケーション
  • 5つのアポ方法:地元和食店/SNS DM/マルシェ/紹介/食材コンベンション
  • サンプルは2合×2回分が黄金量
  • 3ステップ:試験導入→品質検証→年間契約
  • LINE×AIで継続取引を自動化

取材したMsFineFarmさん、ひらくの里ファームさん、農業福島園さんのように、飲食店との深い関係を経営の柱にした農家さんが、価格競争から離脱した経営を築いています。

地元の和食店1軒から始めてみてください。3ヶ月後には年間契約、1年後には経営の柱になっている──それが、米農家の飲食店ダイレクトです🌾


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まず読むならこれ農家のお米の値付け完全ガイド記事を読む →

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取材記事MsFineFarmのインタビュー記事→ 取材記事ひらくの里ファームのインタビュー記事→ 取材記事農業福島園のインタビュー記事→ ガイド農家の同梱チラシで売上を2倍にする方法→

よくある質問|この記事のテーマについて

ご質問をクリック(タップ)すると答えが開きます。

Q. 米農家が飲食店と直接取引するメリットは何ですか?
A. 業界一般では、JAや卸を経由するよりも手取りが大きく残る点が最大のメリットといわれています。中間マージンが減ることで適正価格を維持しやすく、お客様(料理人)の顔が見える関係性を築ける点も大きな強みとして語られています。
Q. 飲食店営業はどんな農家でもできますか?
A. 業界一般では、規模の大小よりも「届けたい料理人像が明確であること」が重要といわれています。1軒からでも始められますし、小規模だからこそできるストーリー営業が機能するシナリオも多数存在する想定です。状況や条件によって最適解が変わる想定なので、最終的にはご自身の事業状況に合わせた判断が業界一般では推奨されます。
Q. どんな飲食店から営業すべきですか?
A. 業界一般では「自分が普段から好きな店・お米にこだわっていそうな店」から始めるのが定石といわれています。客単価が高めの和食・寿司・割烹は米へのこだわりが強い傾向があり、最初のターゲットとして相性が良いシナリオです。
Q. 飲食店営業に必要な準備物は何ですか?
A. 業界一般では「サンプル米2〜3合・自己紹介資料1枚・名刺・LINEのQRコード」の4点が最低限の準備物といわれています。サンプル米は食べてもらってからが本番なので、まずは「食べてもらうこと」を最優先にするのがコツです。
Q. 飲食店への営業はアポなし訪問でも大丈夫?
A. 業界一般では「ランチとディナーの間(14〜17時)」の比較的落ち着いた時間帯のアポなし訪問でも、好意的に対応してもらえる傾向といわれています。ただし忙しい時間帯の訪問は避け、5分以内で要件を伝えるのがマナーとされています。
Q. 飲食店の料理人に伝えるべきことは何ですか?
A. 業界一般では「品種・栽培方法・産地のストーリー・他店との差別化要素」を1〜2分でまとめて伝えるのが定石といわれています。料理人は忙しいので、長い説明よりも一口で記憶に残るキーワードが大切です。状況や条件によって最適解が変わる想定なので、最終的にはご自身の事業状況に合わせた判断が業界一般では推奨されます。
Q. サンプル米はどのくらいの量を渡せばいいですか?
A. 業界一般では「2〜3合(300〜450g)」が試食用として扱いやすい量といわれています。少なすぎると本気の試食ができず、多すぎるとお店側の在庫負担になるため、ちょうど1〜2回炊ける量が想定の目安です。
Q. 価格交渉はどう進めるべきですか?
A. 業界一般では「自分の最低ライン(手取り◯円/kg)を先に決める」のが鉄則といわれています。値下げありきの交渉ではなく、「この価格で続けられる」根拠を持っておくことで、長期的に持続可能な取引につながるシナリオです。
Q. 契約書は必要ですか?
A. 業界一般では「年間取引量・単価・支払い条件・解約条件」を盛り込んだ簡易契約書を交わすのが推奨されているといわれています。小規模取引でも書面化することで、お互いの認識ズレを防ぎ、長期関係の土台になる想定です。
Q. 納品方法はどうすればいいですか?
A. 業界一般では「宅配便(クール便不要)・自家配送・週1〜月1の納品サイクル」が代表的なパターンといわれています。お店との距離・取引量・鮮度ニーズに応じて、お互いの負担が少ない方法を相談するのが定石です。
Q. 飲食店との取引で失敗しやすいポイントは?
A. 業界一般では「価格を下げすぎる・在庫切れを起こす・連絡が遅い」の3つが主な失敗要因といわれています。料理人は安定供給と即レスを重視する傾向が強いため、信頼を積み上げる地道な対応が長期取引の鍵となるシナリオです。
Q. 1軒から月いくらの売上になりますか?
A. 業界一般のシナリオでは、客単価1万円前後の和食店1軒で月5〜15万円程度の取引規模が想定されるといわれています。あくまで想定値で、店の規模・お米の使用量・取引単価によって変動します。状況や条件によって最適解が変わる想定なので、最終的にはご自身の事業状況に合わせた判断が業界一般では推奨されます。
Q. 何軒の飲食店と取引すれば安定しますか?
A. 業界一般では「5〜10軒の安定取引で年間売上の柱になる」想定といわれています。最初の1軒目を取れれば、紹介・口コミで2軒目以降が広がるシナリオが多数あり、まずは1軒目を獲得することが最大の壁です。状況や条件によって最適解が変わる想定なので、最終的にはご自身の事業状況に合わせた判断が業界一般では推奨されます。
Q. 飲食店営業に向いている時期はありますか?
A. 業界一般では「新米シーズン直前(9〜10月)」が最も話を聞いてもらいやすい時期といわれています。料理人が新米の仕入れ先を探している季節と重なるため、サンプル渡しから契約までスムーズに進むシナリオです。
Q. コメボウJOURNALで取材した農家さんの飲食店営業事例はありますか?
A. コメボウJOURNALでは、飲食店との直接取引で経営を立て直した複数の米農家さんを取材させていただきました。各農家さんの戦略・サンプル戦術・関係構築のコツは、本記事内の取材リンクから個別にご覧いただけます。

飲食店との直接取引を開拓する5ステップ

各ステップをクリック(タップ)すると詳細が開きます。

Step 1:ターゲット店を10軒リストアップする
客単価が高めの和食・寿司・割烹を中心に、「自分が好きな店」「お米にこだわっていそうな店」を10軒選びます。SNSでお店の発信内容を確認し、お米への姿勢を事前にリサーチするのが業界一般のコツです。
Step 2:サンプル米と1枚資料を準備する
2〜3合のサンプル米と、品種・栽培方法・産地ストーリーをまとめた1枚資料、名刺、LINEのQRコードを用意します。料理人が忙しいなかでも一目で伝わる構成が想定の目安です。
Step 3:平日14〜17時の時間帯に訪問する
ランチとディナーの間の落ち着いた時間に訪問し、5分以内で要件を伝えてサンプルを置いてきます。長居せず、後日連絡する旨だけ伝えて引き上げるのが業界一般のマナーです。
Step 4:3日後にフォローLINEを送る
「先日お渡ししたサンプル、お試しいただけましたでしょうか」と気軽な温度感で連絡します。返信があれば次の打ち合わせへ、なければ1ヶ月後にもう一度声をかける流れが定石といわれています。
Step 5:契約と納品体制を整える
取引量・単価・納品サイクル・支払い条件を簡易契約書にまとめ、初回納品から信頼関係を積み上げます。安定供給と即レスを徹底することで、紹介による2軒目につながるシナリオが業界一般です。

参考・出典

  • 農林水産省・各都道府県農産物統計
  • 業界団体公開データ
  • コメボウJOURNAL編集部によるオンライン取材記事

※本記事の情報はコメボウJOURNAL編集時点のものです。最新情報は各公式サイトをご確認ください。

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この記事を書いた人

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コメボウJOURNAL編集部。全国の米農家21名のオンライン取材を経て、「全国の米農家と消費者・飲食店が、直接つながる」をミッションに発信。2026年に農業DXサービス「コメボウ」を立ち上げ、取材と仕組みづくりの両軸で米農家の経営を支援している。

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