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「バカにされた直売」が、百貨店の棚に並ぶまで。佐藤ファーム、親子二代の米づくり」

2026 4/09
インタビュー
つや姫 ミルキークイーン 雪若丸 コシヒカリ 山形県 米沢市 百貨店 金賞受賞 直販 30ヘクタール

山形県米沢市 佐藤ファーム ── 佐藤世和さん


山形県米沢市。

盆地特有の厳しい寒暖差が、甘く、粘りのある米を育てる土地。

この地で江戸時代から代々稲作を営んできた一軒の農家がある。

佐藤ファーム。

取材に応じてくれたのは、現場を取り仕切る佐藤世和さん。代表である父のもと、10年前にこの世界に飛び込んだ。


「何やってんだ」と笑われた日

今でこそ百貨店の米売り場に並び、カタログギフトの定番として全国に届く佐藤ファームのお米。

しかし、この道を切り拓いたのは、世和さんの父だった。

きっかけは、約30年前。食糧管理制度が廃止され、米の流通が自由化された時代。

「農協に卸すだけでは、生活していけない」

そう判断した父は、自分の足で売る道を選んだ。

当時、周囲の農家たちの反応は冷ややかだった。

「何やってんだ」── そんな目で見られていたという。

直販という選択は、農家の常識から大きく外れていた。応援してくれる人は、ほとんどいなかった。

それでも、父はやめなかった。


小学生が立った、東京の商店街

世和さんには、忘れられない原風景がある。

小学生の頃、父に連れられて東京の商店街に立った。

販売会のお手伝い。目の前を行き交う人に、父が声をかけ、お米を手渡していく。その姿を、隣でずっと見ていた。

「自分らで売るっていう考え方しか、もうないんですよ。農協さんの方で卸して生計を立てるやり方は、全くわからないっていう状況です」

世和さんはそう笑う。

農協に出荷するという選択肢が、そもそも頭にない。それは父の背中を見て育った人間だけが持つ、静かな確信だった。


10年で3倍。でも変えないもの

世和さんが現場に入った10年前、佐藤ファームの栽培面積は約10ヘクタール。

それが今、30ヘクタール。

さらに仕入れも含めると、年間で60ヘクタール分のお米を取り扱う。 毎日1トンから1.5トンを出荷する日もある。品種は9種類、商品アイテムは100を超える。

規模は3倍になった。しかし、世和さんの言葉は驚くほどシンプルだ。

「米づくりで一番こだわっていることですか? いや、こだわってることはそんなになくて。最低限やらなきゃいけないことを、しっかりやるっていう感じです」

「やることをやっていたら、こうなったんです」

この言葉を、謙遜と受け取ってはいけないと思った。

金賞3度、最優秀賞。 数々の受賞歴は、「やることをやる」を30年以上、一日も手を抜かずに続けた結果だ。

派手な言葉も、特別な技術も語らない。

ただ、毎日の水管理を怠らない。土づくりを省かない。 米糠、大豆、鯉のアラ。地域の産物で、丁寧に土を育てる。それを、来る年も来る年も。


毎年が「100年に1度」の時代に

農業で一番大変なことは何か。そう尋ねると、世和さんの表情が少し変わった。

「気温と気候の変化ですね。毎年のように100年に1度みたいなことが起きる。同じ味を作り出すのが、どんどん難しくなっています」

猛暑、豪雨、予測できない天候。同じように作っても、同じ味にならない。

「作業自体よりも、日々の管理のところがやっぱり難しくなってきて。特に水ですかね。水が一番難しくなったかなと」

30ヘクタールの田んぼの水を管理するのは、世和さんともう1人の従業員、たった2人。 繁忙期でも4人。

それでも、毎年同じ美味しさのお米を届ける。

「やることをしっかりやる」の意味が、ここでようやくわかる。

百貨店の催事場で起きたこと

父が切り拓いた直販の道は、ある日、大きく開けた。

20年以上前、東京の百貨店の催事場で試食販売をした時のことだ。

反応は、想像以上だった。

催事場から、常設の売り場へ。バイヤーや担当者が応援してくれた。

「人に恵まれたんです。 周りの方々が押してくださった。当時はお米をブランディングするっていう概念がなかなかなかった時代だったんですよ。それにうまく乗れたのかなと」

かつて冷ややかな目で見られた直販が、百貨店の棚に並んだ瞬間だった。


「美味しかったよ」

農業をやっていて良かったことは何か。

世和さんは少し考えてから、こう言った。

「どちらかといえば、もう生活の一部になっているので。強いて言うなら、お客さんと直接コミュニケーションを取っている中で、美味しかったよと言っていただける時ですかね」

全国の百貨店を回り、試食販売で顔を合わせる。お電話やメールで届く声。

SNSでも、ECサイトでもない。目の前のお一人に、手渡しで届ける。

「ネットよりも、足で稼ぐという方が多いのかなと」

30年前、商店街に立った父と同じことを、今、息子がやっている。


まだ、届いていない食卓がある

毎日1トンを超える出荷量。全国の百貨店に並ぶ実績。金賞、最優秀賞の受賞歴。

それでも、佐藤ファームのお米を知らない方の方が、圧倒的に多い。

「味のばらつきがなく、毎年しっかりとした美味しいお米を作れるよう、頑張っていく」

特別なことは言わない。約束するのは、ただ一つ。

来年も、同じ美味しさを届けること。

その静かな覚悟を、私たちはもっと多くの食卓に届けたいと思う。


佐藤ファーム
📍 山形県米沢市
🌾 つや姫・ミルキークイーン・雪若丸・コシヒカリ・はえぬき・いのちの壱 他
🏆 米・食味分析鑑定コンクール国際大会 金賞(3度)/お米日本一コンテスト 最優秀賞


■ 農家プロフィール

🏡 佐藤ファーム
👤 佐藤世和
📍 山形県
🌾 つや姫・ミルキークイーン・はえぬき・雪若丸・コシヒカリ・いのちの壱 ほか9品種
✨ 父の代から約35年前に直販を開始。栽培30ヘクタール・取扱60ヘクタール規模で、百貨店やカタログギフトを中心に全国へ展開。「足で稼ぐ」営業で信頼を積み上げてきた二代目農家。
🔗 https://sato-farm-yamagata.com/

取材・文:コメボウ JOURNAL編集部
2026年3月

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全国のお米農家を一人ひとり取材し、
その想いを届けるWebメディア「コメボウ JOURNAL」の編集部です。
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