自然栽培園北村・北村広紀。農薬も肥料も捨てた男が、30年かけて辿り着いた「神の力」 - コメボウ JOURNAL
MENU
  • インタビュー
  • 米農家向け
  • お米ファン向け
  • サービス
  • インタビュー申込(無料)
コメボウ JOURNAL
  • インタビュー
  • 米農家向け
  • お米ファン向け
  • サービス
  • インタビュー申込(無料)
  1. ホーム
  2. インタビュー
  3. 自然栽培園北村・北村広紀。農薬も肥料も捨てた男が、30年かけて辿り着いた「神の力」

自然栽培園北村・北村広紀。農薬も肥料も捨てた男が、30年かけて辿り着いた「神の力」

2026 5/22
インタビュー
自然栽培 無農薬 無肥料 コシヒカリ 佐賀県 自家採種 贈答品 高級米

佐賀県佐賀市川副町 自然栽培園北村 ── 北村広紀さん


佐賀県佐賀市川副町 自然栽培園北村


肥料を入れない。農薬も撒かない。除草剤も使わない。

やることは、収穫後の切り株をそのまま田んぼに残すこと。それだけ。

佐賀県佐賀市川副町で、北村広紀さんはそんな農業を30年以上続けている。栽培面積は1.8ヘクタール。品種はコシヒカリのみ。収量は通常の農家の3分の1しかない。

それでも北村さんは、この農法を一度もやめなかった。


「人間は終わりやな」——農薬地獄からの脱出

北村さんが農業を始めたのは1983年。ビニールハウスでのナス栽培だった。6軒の農家が共同で建てたハウス団地。効率的に、たくさん収穫する。当時はそれが正解だと信じていた。

だが現実は違った。

収量を上げるために大量の肥料を投入する。すると虫が大量に発生する。虫を殺すために大量の農薬を撒く。翌年はもっと肥料が要る。もっと虫が来る。もっと農薬を撒く。終わらない悪循環。

「人間は終わりやなと思いましたね」

北村さんはそう振り返る。このままでは自分の体も、土も、壊れていく。そんな確信があった。

転機は、ある方から無肥料・無農薬栽培の存在を教わったことだった。1986年、まず10アールの小さな区画から自然農法を試してみた。翌年には50アール、3年後には160アール——持っているすべての水田を自然栽培に切り替えた。

周囲の農家は驚いた。というより、呆れた。肥料も農薬もなしで米が育つわけがない。そう思われていた。


虫が来ない田んぼの秘密

自然栽培を30年以上続けてきた北村さんには、ひとつの確信がある。

肥料を入れなければ、虫は来ない。

「肥料のガスに虫が寄ってくるんです。だから肥料を入れなければ、虫がつかない」

化学肥料だけの話ではない。有機肥料も同じだという。どんな肥料であれ、土に入れれば分解の過程でガスが発生し、それが害虫を呼び寄せる。だから北村さんは、何も入れない。

その効果を証明する出来事があった。ある年、近隣の田んぼが「害虫のウンカ」で全滅した。稲の穂に実が入らず、地域一帯が壊滅的な被害を受けたのだ。

「隣が全滅したところでうちの田んぼには入ってこない」

北村さんの田んぼだけは無事だった。何も入れていないから、何も寄ってこない。30年かけて育てた土が、稲を守っていた。


技術だけじゃない。心が米を変えた

コシヒカリ一筋。しかも30年以上、自家採種を繰り返してきた。市販の種籾を買わず、自分の田んぼで穫れた種を翌年また蒔く。その繰り返しの中で、北村さんのコシヒカリは独自の進化を遂げ、通常よりも大きな粒をつけるようになった。

だが、大粒米の誕生には技術だけでは説明できないエピソードがある。

消費者から「作り手の言動で味が変わる」と言われたことがあった。最初は半信半疑だったという。しかし北村さんは、自分の悪いところ——口の悪さを自覚し、それを直す努力を始めた。

すると、突然大粒の米ができた。

偶然かもしれない。科学的に証明できるものでもない。でも北村さんは、この経験を通じて確信したことがある。技術だけでなく、作り手の心が作物に影響する。だからこそ「神の力」というブランド名を冠した。


30対1で押し込まれても、折れなかった

自然栽培への転換は、技術的な挑戦だけでは済まなかった。

最大の壁は、地域の共同ポンプだった。水田に水を引くためのポンプを地域で共有しているのだが、自然栽培に切り替えた北村さんは、周囲と折り合いがつかなくなっていく。さらに減反政策への協力要請も拒否した。

30対1。地域の農家が束になって北村さんに圧力をかけた。

北村さんの選択は、自分でポンプを4~5台購入して独自に水を確保すること。金銭的な負担は大きかったが、誰にも左右されない農業を続けるためだった。

「何くそ、と思いましたね」

その一言に、30年分の重みがある。


喉を通らなかった人が、この米だけは食べられた

苦しいことばかりではない。

北村さんが農業を続ける理由のひとつに、消費者からの声がある。

病気で何も食べられなくなった人がいた。体重は35キロまで落ちていた。何を口にしても受け付けない。医師も家族も、ただ見守ることしかできなかった。

その人が、北村さんの自然米で作ったお粥だけは食べることができた。

体が本当に必要としているものを、本能が選び取る。そういう米を作っている。この事実が、北村さんの背中を押し続けている。


1kg108万円の米が目指す世界

北村さんの代表商品「神の力スペシャル」は、1kgあたり108万円。「特注の木箱」に龍を施し、和紙と水引で包む。
もはやお米ではない。芸術品だ。

一見すると、常識外れの価格に思えるかもしれない。だが北村さんの中では、明確な戦略がある。

「松坂牛と思って買ってくれ」

富裕層をターゲットに据え、自然栽培米の価値を最大限に引き上げる。最初は高級品として世に出し、やがて多くの人が手に取れるものにしていく。北村さんは携帯電話の歴史を例に出した。最初は一部の人しか持てなかった。でも今は誰もが使っている。

「もう一桁上のやつも作りたいとずっと思ってる」

1.8ヘクタールの農家が1億円を稼ぐモデルを作る。それが北村さんのビジョンだ。小さな農家でも、本物の価値を提供すれば戦える。規模ではなく、質で勝負する道があることを証明したい。

2030年までに、自然農法を世界に広げる。その先頭に立つ覚悟を、北村さんは「ファーストペンギン」という言葉で表現した。最初に海に飛び込むペンギンのように、誰よりも先にリスクを取る。


毎日食べるものを、もっと吟味してほしい

北村さんに、消費者へのメッセージを尋ねた。

答えはシンプルだった。

肥料や農薬の危険性を、もっと知ってほしい。毎日食べるお米と野菜を、もっと吟味してほしい。自分の体は、自分で守るしかない。

「やる気さえあれば何でもできるさ」

30年以上、肥料も農薬も使わずに米を作り続けてきた男の言葉だ。周囲に反対されても、30対1で押し込まれても、収量が3分の1になっても、やめなかった。

北村広紀という農家は、自然栽培の可能性を自らの人生で証明し続けている。


YouTube で見る

@hirokikitamura

佐賀の自然栽培米「神の力」
北村広紀さんの想いを動画で発信中🎥

チャンネル登録する →

■ 農家プロフィール

🏡 自然栽培園北村
👤 北村広紀
📍 佐賀県佐賀市川副町
🌾 コシヒカリ(30年以上自家採種)
✨ 完全無肥料・無農薬の自然栽培を30年以上継続。自家採種で大粒化に成功した独自のコシヒカリ「神の力」を育てる。1983年農業スタート、夫婦で1.8ヘクタール。1kg 108万円の最高ランクにも挑戦する唯一無二の農家。
🔗 https://kaminokome.com/

よくある質問|この農家・取材内容について

ご質問をクリック(タップ)すると答えが開きます。

Q. 自然栽培園北村はどんな農家ですか?
A. 佐賀県佐賀市川副町で、無肥料・無農薬・除草剤不使用の自然栽培を30年以上続ける米農家です。代表の北村広紀さんが夫婦で約1.8ヘクタールを管理し、品種はコシヒカリのみ。30年以上自家採種を続け、独自進化した大粒米「神の力」をブランド化しています。
Q. 自然栽培と有機栽培は何が違いますか?
A. 業界一般として、有機栽培は有機肥料・指定された有機由来の資材を使うのに対し、自然栽培は肥料・農薬を一切使わない農法といわれています。北村さんは「肥料を入れれば分解時にガスが出て虫を呼ぶ」という考えから、化学肥料も有機肥料も入れない独自の自然栽培を貫いています。
Q. なぜ北村さんは肥料も農薬も使わないのですか?
A. 1983年のナス栽培時代に「肥料→虫→農薬→もっと肥料」という終わらない悪循環を経験し、「人間は終わりやな」と感じたことが原点です。1986年に小区画から自然農法に転換し、3年で全水田を自然栽培に切り替えました。土と体を守るための選択といわれています。
Q. 自然栽培でも本当に虫がつかないのですか?
A. 北村さんは「肥料のガスに虫が寄ってくる。だから肥料を入れなければ虫がつかない」と語ります。実際にある年、近隣の田んぼがウンカで全滅した時も北村さんの田んぼだけは無事だったエピソードがあります。30年かけて育てた土が稲を守っていると想定されます。
Q. 「神の力」というブランド名の由来は?
A. 技術だけでなく作り手の心が作物に影響するという確信から名付けられました。消費者から「作り手の言動で味が変わる」と言われ、北村さんが口の悪さを直す努力を始めた後、突然大粒の米ができた経験が背景にあるそうです。科学だけでは説明できない要素も込められたブランドです。
Q. 自然栽培の収量はどれくらいですか?
A. 北村さんの場合、収量は一般的な慣行栽培の3分の1程度といわれています。肥料を入れないため絶対量は減りますが、その分1粒あたりの価値・食味を高める方向で経営を成立させているのが特徴です。少量・高単価モデルの典型例といえます。
Q. 「神の力スペシャル」が1kg108万円なのはなぜですか?
A. 富裕層をターゲットに自然栽培米の価値を最大限引き上げる戦略です。特注の木箱に龍を施し、和紙と水引で包む芸術品仕様。北村さんは「松坂牛と思って買ってくれ」と語り、最初は高級品として認知させ、やがて多くの人に届ける構想を描いているそうです。
Q. 北村さんはなぜコシヒカリ一筋なのですか?
A. 30年以上コシヒカリのみを栽培し、市販の種籾を買わずに自家採種を繰り返しています。その繰り返しの中で北村さんのコシヒカリは独自の進化を遂げ、通常より大きな粒をつけるようになったといわれています。品種ではなく「自分の田の種」を磨き続ける選択です。
Q. 自然栽培への転換で苦労したことは?
A. 技術的な挑戦だけでなく、地域共同ポンプの問題や減反政策への協力拒否で「30対1」の圧力を受けたといわれています。北村さんはポンプを自費で4〜5台購入して独自に水を確保することで、誰にも左右されない農業を続ける選択をしました。
Q. 自然栽培米はどんな人に向いていますか?
A. 毎日食べるお米と野菜の安全性をもっと吟味したい方、肥料・農薬への懸念を持つ方に検討されることが多いといわれています。北村さんは「自分の体は自分で守るしかない」と語り、食を選ぶ意識の高い消費者層に支持されています。贈答用としてのニーズも増えているそうです。
Q. 「神の力」はどこで購入できますか?
A. 公式サイト(kaminokome.com)から購入できます。スペシャル版から日常使いまでラインナップがあり、贈答品としても選ばれています。価格帯やラインナップは時期により変動するため、最新情報は公式サイトでご確認ください。
Q. 「ファーストペンギン」とはどういう意味ですか?
A. 最初に海へ飛び込むペンギンのように、誰よりも先にリスクを取る存在のことです。北村さんは2030年までに自然農法を世界へ広げる先頭に立つ覚悟をこの言葉で表現しています。30対1の圧力にも折れず独自路線を貫いた30年が、その言葉を裏付けています。
Q. 自然栽培の田んぼ管理はどうしていますか?
A. 肥料・農薬・除草剤を使わず、収穫後の切り株をそのまま田んぼに残すことが基本作業といわれています。長年積み上げた土壌の力で雑草・害虫の抑制バランスを取る方法で、シンプルゆえに土づくりの蓄積が決定的に効いてくる農法です。
Q. 消費者に伝えたい北村さんのメッセージは?
A. 肥料や農薬の危険性をもっと知ってほしい、毎日食べるお米と野菜をもっと吟味してほしい、というのが核です。「自分の体は自分で守るしかない」「やる気さえあれば何でもできるさ」という言葉が、30年以上自然栽培を続けてきた重みを物語っています。
Q. 自然栽培園北村のSNSはありますか?
A. YouTubeチャンネル(@hirokikitamura)で、佐賀の自然栽培米「神の力」と北村広紀さんの想いを動画で発信しています。文字だけでは伝わらない田んぼの様子・人柄が見られるので、興味のある方はチャンネル登録での応援がおすすめです。

自然栽培米「神の力」を理解して選ぶ5ステップ

各ステップをクリック(タップ)すると詳細が開きます。

Step 1:自然栽培の定義を知る
肥料・農薬・除草剤を一切使わない農法で、有機栽培とも区別されるといわれています。土壌の力だけで稲を育てるため、年単位での土づくりが前提となります。
Step 2:収量と価格の関係を理解する
自然栽培は収量が慣行の3分の1程度になるといわれます。価格が高い背景には、希少性と長年の土づくり・手間が反映されていると想定されます。
Step 3:商品ラインを比較する
公式サイト(kaminokome.com)で日常使いから贈答用までラインナップを確認します。「神の力スペシャル」は1kg108万円の最高ランクとして位置づけられています。
Step 4:用途を決めて選ぶ
毎日の食卓用か、特別な贈答品か、用途で選びます。贈答用は木箱・和紙・水引仕様の高級ラインがあり、富裕層向け商品として設計されています。
Step 5:農家の想いに触れる
YouTube(@hirokikitamura)で北村さんの30年の歩みや田んぼの様子を視聴します。背景を知ってから食べることで、一粒の重みがより深く感じられます。

参考・出典

  • 取材農家ご本人の発言・公式情報(取材時点)
  • 農林水産省・各都道府県農産物統計
  • コメボウJOURNAL編集部によるオンライン取材

※本記事の情報はコメボウJOURNAL取材時点のものです。最新情報は各公式サイト・公式SNSをご確認ください。

米農家の方へ

月¥1,980で、LINE×AIが
顧客運用を全部自動化。

取材+LINE構築+AI設定+継続サポート、全部込み。
3ステップでスタートできます。

サービス詳細を見る → LINEで相談する →

24時間以内にコメボウAI「アサ」が1次返信します。

「ごちそうさま」は農家さんの励みになります
ポチッと押して応援してください🍚

あなたの農園の物語も
全国に届けませんか?

インタビュー・記事掲載は完全無料です

無料で申し込む

🌾 よかったらシェアしてください

Instagramに載せるときは
@komebou_rice をタグ付けしてくれると
泣いて喜びます!

お返しに、こちらのアカウントでも
全力でシェアさせていただきます📣

@komebou_rice をフォロー →
インタビュー
30年以上 pickup ギフト コシヒカリ 佐賀県 小規模農家 無肥料 無農薬 特別栽培認証 自家採種 自然栽培 贈答品 高級米
「応援したい!」と思ったらシェアしてね!
  • 新米と古米の違いは?美味しいお米の見分け方
  • 競走馬の町で、米を作る。北海道浦河・中山農園が12年間守り続ける特別栽培

この記事を書いた人

コメボウJOURNAL編集部のアバター コメボウJOURNAL編集部

コメボウJOURNAL編集部。全国の米農家21名のオンライン取材を経て、「全国の米農家と消費者・飲食店が、直接つながる」をミッションに発信。2026年に農業DXサービス「コメボウ」を立ち上げ、取材と仕組みづくりの両軸で米農家の経営を支援している。

次に読みたい

  • あの昼寝が、人生を変えた。福岡・農業福島園が18年間、農薬を使わない理由
  • 父と、8町歩の田んぼと、これから。山本農園・山本茂春、新潟南魚沼で動き出した41歳の世代交代
  • やよい農園 アイキャッチ
    種を買いすぎた妻が、農園を始めた。やよい農園・滝沢篤史、震災から始まった弱アルカリ性の米づくり
  • まつえんどん 三輪弘和さん(田んぼにて)
    「料理人が、米農家になった。」新潟・南魚沼 まつえんどん 三輪弘和、23町歩の哲学
  • 田んぼは440人の子供たち。南魚沼・笠原農園が59haを耕し続ける理由
  • 大地創造職人・反町敏彦。新潟で「幻のコシヒカリ」を作り続ける、4代目の信念
  • 小場農園 小場裕之 - 小場農園 小場裕之
    “有機は高すぎる、農薬は遠慮したい”。秋田・美郷町 小場農園 小場裕之、時計技能士が選んだネオニコフリーの特別栽培
  • “イケてる”米を、佐渡島から。イケベジ・本間涼、”引き算”と循環が生む日常
  • 利用規約
  • プライバシーポリシー
  • 特定商取引法に基づく表記

© コメボウ JOURNAL.

🌾 AIに聞く うちの農園、何できる?