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「料理人が、米農家になった。」新潟・南魚沼 まつえんどん 三輪弘和、23町歩の哲学

2026 6/09
インタビュー 産地ガイド
まつえんどん 三輪弘和さん(田んぼにて)
コシヒカリ 新之助 コガネモチ ゆうだい21 新潟県 南魚沼市 法人化 ユーグレナ 料理人出身 特別栽培米

新潟県南魚沼市 株式会社まつえんどん ── 三輪弘和さん


新潟県南魚沼市。日本一のコシヒカリの産地として知られるこの土地に、23町歩の田んぼを受け継ぎ、拡大し続けている男がいる。

株式会社まつえんどん・三輪弘和さん。

元料理人。石川県金沢に16年滞在し、うち11年は飲食店に立ち続けた男が、今は6種類のお米を育て、ベーグルを焼き、米・食味分析鑑定コンクール金賞、お米日本一コンテスト最高金賞という称号を手にしている。

それでも彼は言う。

「賞を取っても、販売に繋がるわけじゃないんです」


11年の料理人経験が、農家を生んだ

三輪さんは南魚沼市出身。けれど、地元に戻って農家になろうと最初から思っていたわけではなかった。

金沢に16年いた。そのうち11年は飲食店で調理の仕事をしていた。

料理人として過ごした11年が、今の三輪さんの米作りの原点になっている。

「自分もずっと飲食店で調理してたので、お客さんに何を使ってるかを、自信を持って言えるものをやりたいっていうのがあって」

料理人の目から見れば、産地や生産者が分からない食材は信頼できない。だから自分が生産者になったとき、「これは間違いなくいいものを使っている」と言い切れる農業をしようと決めた。

資材も、肥料も、全部そう。


7町歩から23町歩へ、広がっていった理由

三輪さんの父親は、元々兼業農家だった。まだ金沢にいた頃から7町歩から8町歩を耕作しており、村の中でも大規模な部類に入っていた。

Uターンして父親を手伝うようになってから、田んぼはさらに増えていった。

「村の他の農家さんが、後継者に引き継がれてるのが分かって、『じゃあ任せようか』って後押しがあったんですよね」

自ら広げたというより、地域の農家から信頼されて預けられた。そんな広がり方だった。

2013年か2014年に農業部門を法人化。すでに農家レストランのような飲食事業も始めていたため、会社として事業を一つにまとめた。

そして今——現在は23町歩。10年ちょっとで、約4倍の規模になった。

生産する品種は、コシヒカリ・新之助・コガネモチ・虹のきらめき・ゆうだい21など6種類。

通年雇用の正社員はいない。季節雇用のスタッフ2名と、オペレーターとして働く2名、そして三輪さんと父親。スタッフの多くは冬場はスキーやスノーボードのインストラクターをしている人々だ。

「雪溶けて、また冬になったら山に行くって、ちょうどいいんですよね」

三輪さんは笑う。


賞は取った。でも、売上は上がらなかった

米・食味分析鑑定コンクール金賞。お米日本一コンテスト最高金賞。

数々の賞を手にした。知り合いにも受賞者は多い。ただ、誰もが同じ壁にぶつかる。

「賞を取って、じゃあ販売に繋がるかって言ったら、そうではないんです」

技術を証明し、味で評価されても、それが新規顧客の獲得や単価の上昇に直結しない。どうやってこの壁を越えていくか——三輪さんはずっと考えていた。

そんな時に、ひとつの出会いがあった。


ユーグレナとの偶然の出会い

きっかけは、一冊の本だった。

「たまたま本で、ユーグレナの健康食品のことを見たんですよ」

興味を持って、頭の片隅に置いていた。

その後、東京の展示会に出展したとき、ちょうど隣のブースが株式会社ユーグレナだった。偶然とは思えない巡り合わせだ。

話してみると、ユーグレナ側も農業部門を本格的に立ち上げようとしているタイミングだった。お互いの話が、するすると繋がっていった。

「ユーグレナさんって、健康食品のお客さんがもうアッパー層というか、富裕層みたいなところにいるらしいんですよね。40代女性の方が圧倒的に多い」

三輪さんが欲しかったのは、まさにそういう層への入口だった。

今、まつえんどんは米農家として、ユーグレナ社と提携する1号になっている。ユーグレナ由来の肥料を使って育てた米。まだデータ取りはこれから。でも、「自信を持って言える米」という三輪さんの哲学と、ユーグレナ社の姿勢はぴったり合っていた。

「コンクールで賞を取っても販売に繋がらないっていう課題があった中で、ユーグレナさんとの出会いは大きかったですね」


「1年は価格を変えない」——料理人出身の経営哲学

まつえんどんのお米は、農協には一切下ろしていない。すべて自社で販売している。

ふるさと納税が最も高いシェアを占め、飲食店・Yahoo!ショッピング・百貨店サイト・自社サイトと、販路は多岐にわたる。9月上旬から順次、品種ごとに販売時期をずらして出していく緻密な運用だ。

そんな三輪さんの経営哲学で、特に印象的な言葉があった。

「うちはあんまり、価格の変動をさせたくないんです」

昨年は資材高騰で値上げしたが、今年は下げた。ここからはこの水準で基本的にいくという。

この姿勢の背景にも、料理人時代の経験があった。

「飲食店で働いてた時、仕入れの値段が激しく上げ下げされるとすごいやりづらかったんですよ。たとえ自分がマイナスになっても、1年は価格を変えないようにしたい」

価格の安定性は、顧客や取引先への誠意だ。自分が料理人だった頃に欲しかったものを、自分が生産者になった今、提供している。


23町歩から50町歩へ、受け継いでいける体制を

農業には苦労も多い。水不足の年には他の農家との水の取り合いが起きる。資材価格は高騰しているのに、米の価格は下落傾向——「農家の手取りが下がる矛盾」を三輪さんは肌で感じている。

それでも、三輪さんの目線は前を向いている。

「今やってる村とか、この地域を受け継いでいける体制を作っていきたいんです」

23町歩を、4年後には30町歩、将来的には50町歩に。広さだけが目標ではない。そこに、通年雇用の正社員を抱えられる経営規模を作りたい。

加工品への展開もある。ベーグル、冷凍おにぎり。手軽に食べられる、質の良い加工品を、もっと増やしていきたい。

農業は、作って売って終わりじゃない。地域を継ぎ、人を雇い、食べ方を広げ、お客さんと向き合い続けるもの。料理人だった三輪さんには、その全部が「料理の延長線上」にあるのかもしれない。

「どの品種を食べても、美味しく感じてもらえるように、手を抜かずに作ってます」

「まつえんどんを信頼して、安心して買っていただきたい」

23町歩の田んぼの上で、三輪さんは今日も、一粒の米に向き合っている。


■ 農家プロフィール

🏡 株式会社まつえんどん(みわ農園)
👤 三輪弘和 ── 石川県金沢で16年を過ごし、うち11年は飲食業を経てUターン。2013〜2014年に農業部門を法人化。
📍 新潟県南魚沼市
🌾 コシヒカリ・新之助・コガネモチ・虹のきらめき・ゆうだい21 など6品種
✨ 農地23町歩(将来的に50町歩目標)/農協出荷なし・全て自社販売/株式会社ユーグレナと米農家として提携1号/米・食味分析鑑定コンクール金賞/お米日本一コンテスト最高金賞/玄米ベーグル・冷凍おにぎりの加工品も展開
🔗 https://miwanouen.net/
🔗 https://matsuendon.net/

よくある質問|まつえんどん・三輪弘和さんと南魚沼23町歩について

ご質問をクリック(タップ)すると答えが開きます。

Q. まつえんどん・三輪弘和さんはどんな人物ですか?
A. 新潟県南魚沼市で23町歩のコシヒカリを栽培する米農家・株式会社まつえんどんの代表です。16年間の料理人経験を経て米農家に転身し、米日本一コンテストで最高金賞を受賞した経歴があります。
Q. まつえんどんの23町歩はどれくらいの広さですか?
A. 23町歩は約23ヘクタール(230,000平方メートル・東京ドーム約5個分)の規模で、日本の米農家の中でも大規模経営に分類されます。
Q. なぜ料理人から米農家に転身したのですか?
A. 石川県金沢で16年間料理人として活動した後、新潟・南魚沼の実家を継ぐ形でUターン就農しました。料理人として培った「素材の質」への眼差しを、米作りに活かしています。
Q. まつえんどんは株式会社ユーグレナと提携していますか?
A. はい、株式会社ユーグレナと米農家として提携1号を組んでおり、新たな販路と研究開発の協業を進めています。
Q. まつえんどんで栽培している品種は何ですか?
A. 南魚沼産コシヒカリを主力品種として栽培しています。南魚沼は日本でも有数のコシヒカリ産地として知られています。
Q. 米日本一コンテストで金賞を受賞したのはいつですか?
A. 詳細な受賞年度はコメボウJOURNALの取材時点での情報です。最新の受賞歴はまつえんどん公式情報をご確認ください。
Q. 「1年は価格を変えない」とはどういう経営方針ですか?
A. 料理人出身の三輪さんの経営哲学で、米の価格を年単位で固定することで、購入する消費者・取引先の信頼を守る方針です。市場価格に振り回されない安定運営を実現しています。
Q. 23町歩から50町歩への拡張計画はありますか?
A. はい、後継者・スタッフ体制の構築と並行して、将来的に50町歩規模への拡張を視野に入れています。
Q. まつえんどんの米はどこで購入できますか?
A. コメボウJOURNALの取材農家ページから連絡可能です。直接やり取りで購入・定期便の相談ができます。
Q. 南魚沼コシヒカリの特徴は何ですか?
A. 南魚沼産コシヒカリは「粘り・甘み・つや」のバランスが秀逸で、業界一般のシナリオでは日本最高峰の米とも評されています。雪解け水と寒暖差のある気候が育む特別な米です。
Q. コメボウJOURNALとは何ですか?
A. 全国の米農家に取材して、その想いや経営の本音を伝える専門メディアです。21農家以上を取材し、米農家と消費者をつなぐ役割を果たしています。
Q. 料理人時代の経験は米作りにどう活きていますか?
A. 「最高の素材を作る」という発想と、「お客様の食卓を想像する」感覚が、品質追求と価格安定政策に直結しています。
Q. 後継者やスタッフの確保はどうしていますか?
A. 23町歩から50町歩への規模拡大に向けて、地域人材の採用と継承体制の構築を進めています。
Q. まつえんどんは海外展開も視野に入れていますか?
A. 詳細は明確に発表されていませんが、ユーグレナとの提携を通じた研究・新市場開拓の可能性が示唆されています。
Q. まつえんどんの今後の目標は何ですか?
A. 23町歩→50町歩の規模拡大、米日本一コンテストでの継続的な評価獲得、そして「1年は価格を変えない」哲学を貫きながら、料理人時代の経験を活かして消費者と直接つながる米作りを目指しています。

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農家へ直接、希望する量・品種・配送日などを伝えます。コメボウのAIサービスを使うと自動応答もスムーズです。
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農家との合意に基づき、定期便・単発購入のどちらかでお米を購入します。価格・配送条件は農家ごとに異なります。
Step 5:食べた感想を農家に伝える
「美味しかった」「次もお願いします」といったフィードバックが農家のモチベーションになり、長期的な信頼関係につながります。

参考・出典

  • 株式会社まつえんどん公式情報(取材時点)
  • 株式会社ユーグレナとの提携発表
  • 米日本一コンテスト(一般社団法人主催)
  • 農林水産省・新潟県農産物統計
  • コメボウJOURNAL編集部による現地(オンライン)取材

※本記事の情報はコメボウJOURNAL取材時点のものです。最新情報は各公式サイト・公式SNSをご確認ください。

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この記事を書いた人

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コメボウJOURNAL編集部。全国の米農家21名のオンライン取材を経て、「全国の米農家と消費者・飲食店が、直接つながる」をミッションに発信。2026年に農業DXサービス「コメボウ」を立ち上げ、取材と仕組みづくりの両軸で米農家の経営を支援している。

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