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大地創造職人・反町敏彦。新潟で「幻のコシヒカリ」を作り続ける、4代目の信念

2026 4/09
インタビュー
コシヒカリ こしいぶき 新潟県 長岡市 従来コシヒカリ 直販 玄米珈琲 無農薬 4代目 パックご飯

新潟県長岡市 大地創造職人 ── 反町敏彦さん


新潟県長岡市。

信濃川の流れと越後山脈から吹き下ろす風が交わる、米どころの中の米どころ。

その土地に、4代にわたって稲作をつないできた農家がある。

春には田植えの準備で夜明け前から動き始め、秋には黄金色の穂を刈り取る。そういう日々を、専業農家として40年間繰り返してきた男がいる。

反町敏彦さん。屋号は「大地創造職人」。


お客さんの一言が、4代目を動かした

こだわりを聞いたら、反町さんはこう言った。

「基本に忠実ってことですかね。新しい資材を試すことはある。でも結局、基本の作業をしっかりやることが大事で」

派手な言葉は出てこなかった。

でも、4代続く農家の言葉には、それだけで十分な重さがある。

品種はこしいぶきと、従来のコシヒカリの2種類。新潟でコシヒカリを作る農家の約9割は、いもち病に強いBL種子を使う。管理がしやすく、収量も安定する。県が普及を後押しし、今や当たり前の選択になった。

反町さんは、それを選ばない。

かつて一度だけ試した年があった。その秋、長年買い続けてくれているお客さんから一通の連絡が届いた。

「今年、なんか味が変わりましたよね」

反町さん自身には、正直わからなかったという。でも翌年、迷わず従来のコシヒカリに戻した。それ以来、一度も変えていない。

従来コシヒカリを作る農家は、今や新潟でも1割以下。「幻のコシヒカリ」と呼ばれるほど希少になった。手間はかかる。収量も安定しない。それでも変えない。

自分の舌より、お客さんの舌を信じた。 たった一言が、4代目の判断を動かした。


消費者の方から『美味しかった』が一番嬉しい

30代の頃、反町さんは農家としては珍しく直販を始めた。

「こだわって作ったお米を業者に出すと、混ぜられてしまう。自分で値段をつけたかった」

誰もやっていなかった時代に、自社HPを立ち上げ、消費者と直接つながる道を切り開いた。今は複数のプラットフォームを通じて、全国のお客さんに届けている。

業者を通さない分、手間はかかる。注文管理、発送、問い合わせ対応——農作業と並行してこなす日々だ。それでも、直販を選び続けてきた理由は一つだった。

「消費者の方から『美味しかった』っていう言葉や、手紙をいただく時が、やっぱり一番嬉しいんですよね」

業者に卸していたら、その声は届かない。誰が食べているかも、わからない。

幻のコシヒカリを、自分で値段をつけて、顔の見えるお客さんに届ける。そのリピーターを年々積み上げてきた。
それが、今の反町さんの土台になっている。


夢は、「玄米珈琲とパックご飯」の販路拡大

「加工品にも力を入れていきたいんですよ」

パックご飯と、玄米珈琲。自分たちが育てたお米が、全く新しい形で届く可能性を、反町さんはもう具体的に描いている。

実はすでに商品化されている。自家栽培のコシヒカリ玄米を、黒くなるまでじっくりと焙煎し粉末にした「玄米珈琲」だ。
農薬・化学肥料不使用、残留農薬・放射能・重金属の検査済み。ノンカフェインで体を温める。

冷え性の方にも、妊娠中の方にも飲んでもらえる。

田んぼで育てたお米が、珈琲として誰かの朝に届く。その可能性を、反町さんはもう手の中に持っていた。

規模も拡大したい。ファンを年々積み上げていきたい。

腰の手術後、麻痺が残り歩き方が変わっても、その夢は変わっていない。


歩みは、止まらない

4代のこだわりも、幻のコシヒカリも、感謝の手紙も——すべて手の中にある。

玄米珈琲は商品になった。次はパックご飯。規模も広げていく。

やることは、決まっている。

今年も反町さんは田んぼに立ち、稲を育て、お客さんの言葉を受け取る。

「消費者も生産者も納得できる価格が、安定して続いてほしいんですよ。それだけです」

4代目の願いは、静かに、力強く続いていく。


■ 農家プロフィール

🏡 大地創造職人
👤 反町敏彦
📍 新潟県長岡市
🌾 従来のコシヒカリ・こしいぶき
✨ 4代続く農家、専業40年。新潟で9割が使うBL種子を使わず、お客様の一言をきっかけに「幻のコシヒカリ」と呼ばれる従来コシヒカリを作り続ける。玄米珈琲やパックご飯の加工品にも挑戦中。
🔗 https://sorimachi12.com/

取材・文:コメボウ JOURNAL編集部
2026年4月

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その想いを届けるWebメディア「コメボウ JOURNAL」の編集部です。
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